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油圧式制振装置で地震を制する

耐震工法から制震工法へ


まず下の動画をご覧下さい。なんと今国が勧めている長期優良住宅が防災化学技術研究所センターで実大振動実験の結果、倒壊したのです。倒壊した奥側の家が長期優良住宅で、手前はそれより劣る躯体です。何が劣るかと言いますと柱頭柱脚金物が劣っているだけです。聞いた話ではホールダウン金物の数と聞きましたが壁量などプランは全く同じです。そして震度は6強で実験しております。

http://www.youtube.com/watch?v=tWSUwPCqZFI


どうですか、ご覧になりましたでしょうか?確かに家は倒壊しましたね、ですが建物は3階建てで1階の壁のバランスが悪いです。これだと力学的にも倒れやすいではないですか~、という声が聞こえそうですが、確かに建物は鉛筆型なのでバランスは悪いですが、こういった家は世に数多く存在しています。そして、この問題をこれで片付けてしまってはいけません。


日経ホームビルダーの記事によりますと実験前には予想として、手前側の建物が倒壊しますと発表がありました。ですが結果は逆で集まった記者達からは質問が相次ぎました。


今回の実験棟は2棟とも耐力壁を建築基準法の1.44倍、つまり耐震等級2 (1.25倍)より上で耐震等級3 (1.5倍)より下なので長期優良住宅の基準は充分満たしておりました。一方実験で加振した地震波ですが、建築基準法の最大加速度400galの1,8倍である720galに達し、計測震度階では震度6強相当で加振したとあります。


記事ではたとえ1.8倍でも建築基準法の規定は安全係数を加えているので余力があり、ぎりぎり持ちこたえるのではと考えてたらしいです。


つまり3階建てで1階の壁のバランスが悪いだけではすまされない強さの建物だったのです。


ですが躯体が強くても上に伸びる3階建てのプランは2階建てや平屋に比べて力学的に見ても弱くなるのは確実だし、1階の壁のバランスも悪いのは確かです。加えて揺れの方向が建物の間口の狭い方向に負担がかかるように揺らしています。悪い条件をあえて設定しているのではと言う意見も出そうです。

ここでもう一度動画を見てください。良く見ると手前の金物が弱い方は柱脚が全て引き抜かれています。建物が浮き上がっています。奥側の長期優良住宅は引き抜かれておりません。さすがにホールダウン金物の効果です。引き抜きには絶大だと言えましょう。

しかし皮肉な事に金物の弱い引き抜かれた方は引き抜かれた事で「ロッキング現象」を起こしたから倒壊を免れたと結論付けています。そして引き抜きに強かった長期優良の方はおそらく先に筋交いなどが外れた可能性があると記事にかかれております。


壁を強化すれば被害は防げる

実験終了後の記者会見での報告では、加振が始めって10秒後、手前の柱脚は75mm浮き上がり、足元が浮き上がったことで建物全体が「ロッキング現象」を起こし、大振動が起こるたびに片足立ちになるような挙動を示した。変形の安全限界を大きく超えており実質的には倒壊したと言える。結果的に2棟とも倒壊したと。

倒壊した長期優良住宅は最大耐力が2割高かった。大事なのは柱頭柱脚金物が外れず、耐力壁が先行して壊れたという点です。これは壁の強度がさらにあればこうした結果は防ぐ事が出来ると言う事を意味している。

と報告してます。

要するに長期優良は倒壊したが引き抜きに強く、壁を更に強化すれば大丈夫と示唆している事と倒壊しなかったが引き抜きがあり事実上倒壊していると言う事です。どっちにしても揺れを少しでも吸収する工法を選択するほうが倒壊を免れると言う事です。

そして上に伸びれば当然倒壊しやすくなるのは今回の実験をしなくてもお分かりだと思います。無論壁のバランスも大事です。動画を見ても座屈を起こしているような感じもします。結論的は事は言えませんが、記事を見る限り耐震等級2以上を満たしている長期優良住宅は今回のケースでは倒壊したが壁量をさらに増やす、プランを考える、制震して揺れを低減させるなどにより倒壊は防げる方向に向かうという事になると思います。


少々この話が長くなりましたが制震装置の話に入ります。


あなたの大事な家族の安全と家の資産価値を守るために制振装置を案内します。この制振装置は株式会社トキワシステムのオイルダンパーで【αダンパーExⅡ】という商品です。

 

姿図です、この装置を1階の外側の壁に分散配置し専用ビスでがっちりと止めます。これにより繰り返される地震の揺れを効果的にダンパーが吸収するのです。地震は一生の内で一度の経験ではありません。地震を経験された方はご存知ですが、意外と地震の揺れる時間は長いのです。

また余震もあります。この余震も長く揺れます。その繰り返される揺れを少しでも吸収しないと躯体はどんどん緩みます。釘もビスも緩みます。建てた当初は耐震性もありますが地震が重なり躯体が緩むと耐震性は著しく低下します。では、地震は頻発しているのでしょうか?

 

上図のように地震は頻発しています。今回の東日本大震災は関東以北の人には大変な経験をしました。1000年に一度と政府は言いましたがそんな都合よく1000年に一度を経験するでしょうか?ここは政府のいう数百年だの500年だの1000年だのと言う事には耳を貸さず、今の日本は地震列島なんだとという、認識が必要だと思います。

では、耐震、免震、制震とありますが、それぞれどんな特徴があるのでしょうか?


上図はクリックすると大きく出ます。

大まかに違いを述べますとコスト的には免震より制震の方が断然安く付きます。そして安いから悪いのではなく、地震対策の方法の違いだけという事です。

この制震は家と家族の安全性については耐震より上なのです。また免震はその構造上、地下室、ビルトインガレージなどの特殊基礎のプランは出来ませんし、それに50センチ前後建物が動きますので隣地との距離を取らねばならず建築コストだけでは済まされません。

例えば敷地の場合、関東の都心に近ければ近いほど資産価値が高いので坪単価が高くなります。隣地との距離は単に50センチ程度だけではありません。軒の出が45cmとか60cmも出せばその分、建物を離さなければなりません。軒の出は0センチも出来ますが建物にとっては良くありません。出来れば避けたい軒の出です。

小さくしても15cm程度欲しいですから隣地の距離は少し余裕を見て80センチ程度離すことになります。また隣地との距離を取るのは一方方向だけではないのです。四方になるのですから敷地面積に余裕がないといけません。

 

その点、制震構造には隣地との距離は気にする必要がないので、気にする事無く配置計画が出来ます。

少しイメージで制震装置がどう有利に働くのかを見てみましょう。

安全限界値とあります。説明どおり柱と梁の接合部や筋交いが破壊される場合の図です。

1/30radとありますね。radとはラジアンの略で層間変形角を意味する国債単位の事です。難しい理屈は置いて説明をしますと柱の傾く大きさを表しており、分母、ここでは30ですね。この分母が大きいほど傾きが少ない事になるのです。

次は耐震工法です。

 

耐震になってradの分母が93になりました。震度7に対して約3倍強くなっております。では制震工法ならどうでしょうか?

 

いきなりradの数字が182になりましたね、約6倍の強さです。これだと相当強そうです。では、どれくらい揺れが低減されているのでしょうか。下図をご覧下さい。

最大55%低減とあります。揺れが22ミリ弱におさまっていますね。もう一つの表です。

目立つのがピンク色の線で大きくはみだし円形には程遠いです。このグラフはループが円形に近ければ近いほどエネルギーを万遍なく吸収しているのです。A社、B社はゴムの制震装置らしいです。A社B社とも外にいくほど力が入るが内にいくと力が入らない、耐震に近い効果だとグラフは教えています。

 

設計・施工に関して少々

 ここで設置例を見てください。

三角の赤い矢印が制振ダンパーを取り付ける場所です。このプランでは23箇所取り付けることになります。1階建て、2階建てのお住いの場合は1階の横架材の下への取り付けが基本となります。

3階建ての場合は1,2階の横架材の下への取り付けになります。取り付ける本数は40坪全後の2階建ての住いで概ね24本の設置でしょう。

筋交いのとの併設も可能ですから設計変更の必要はありません。

施工に関しては金物を避けて取り付ける事で、専用ビスを用います。大工さんが行ないますが、取り付け作業はインパクトドライバ一つで充分、全てを取り付けても半日あれば充分間に合う手軽さなのです。

 

この制振ダンパーは実績が4500棟あります。選ばれるには理由があります。その理由を表にしますと


クリックすると大きくなります。

ここで再度建物に制震するメリットをお伝えしましょう。

万が一地震が起きたとします。それは大きく建て物が大きく揺れ、サッシのガラスなどが変形の為、割れたとしましょう。あるいは破損です。当然外壁のサイディングなども一部損壊です。

この場合、修繕する費用はどれくらいかかるのでしょうか? もちろん家の状態により費用は様々ですが決して安くはありません。サッシのガラスが割れた場合などサッシ自体が破損すると取り替えるのにかなりかかります。100万単位でかかると思います。

サッシを取り替えるのに外壁を一部壊して修繕する必要があるからです。サッシを交換するために2階なら足場は必要だし、サッシまわりの防水処理から外壁の処理までかなり面倒な工事になります。

屋根材で瓦が飛んだら尚更です。

ですが制震工法を行なっていると揺れが軽減するのですからもしかしたらサッシの破損やガラスの割れは起こらないかもしれません。ここが実は最大のメリットでもあるのです。

地震保険は当てには出来ません。そもそも加入している人が少ないのです。仮に加入していても一部損壊など保険金額は時価の5%が限度と聞いております。

更に時価は経年とともに落ちます。100年住宅といいながら実は年々かなりの頻度で価値は落ちています。

また半壊すれば保険全額おりるのではという期待がありますが、半壊は文字通り半壊ですので50%です。しかし建物が半壊した場合の補修費は新築並みに費用がかかる場合が多いです。

これでは保険に入る意味がありません。ですからどんな会社のものでも良いので制震装置を建物に施すのが最大の保険となるのです。

住宅ローンも残っているのに補修費用なんてとても用意できず、日々の生活が心配になります。

そして実際の地震では圧倒的に半壊、一部損壊が多いのです。

最後に、このダンパーはリフォームで使えるのです。この制振ダンパーは既存の住宅にも仕えます。リフォームとしてです。何も新築だけに出来る事ではありません。

この制震ダンパーにご興味のある方はこちらまでお問い合わせ下さい。



2011年3月25日

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