猛烈な寒さで|採暖と暖房について
熱を伝える3要素
猛烈な寒波が襲来し日本列島は凍えています。日本海側は吹雪いて被害が連日報道されております。暦で言えば大寒、1年で最も寒い時期です。この寒さは天気予報によるとまだしばらく続きそうで寒さが苦手な方には辛い時期となっています。
さてこれだけ寒いと家の断熱性能の低い家は石油ファンヒーターを炊いていない部屋は寒く、とても居住空間とはいえない室温になっている事と思います。ここで石油ファンヒーターと言っているのはエアコンの暖房だと石油のファンヒーターよりパワーが弱く電気代もかさむので石油に切り替えている人が多いからと思ったからなのですが如何でしょうか?エアコンの効きが弱く空気を汚す石油ファンヒーターに切り替えてはいませんか?
エアコンで暖房を使うと効きが弱いのでどうしても強運転になります。しかし強運転は風量も大きく、今度は乾燥に悩まされます。電気でまかなう場合、エアコンだと熱量が足りないのでホットカーペットやオイルヒーターを併用しながら家族みんなで寒さを凌いでいると思うのですが、断熱性能の低い家はおそらくリビングがメインで子供が大きいなら子供部屋を石油ファンヒーターなどで暖め、個別の部屋単位で暖めている事と存じます。
熱を伝えるには三つの要素があります。「伝導」「対流」「輻射」の三つです。伝導は物体自身の中で熱が伝わり移動するので伝導です。別に別々の物体でも物理的に接触していれば伝導が起きます。次に対流ですが、水や空気は温まると上昇し冷えると下降します。この時、熱も同時に運んでいるのです。暖房すると部屋の天井付近が暖かく床付近は温度が低いですね。お風呂のお湯も温かいお湯は上でぬるいお湯は下に溜まります。ご存知ですね。そしていずれはこの状態が崩れ対流します。この状態が対流です。
そして輻射ですが、物体そのものが発する熱線、これが輻射です。人間も家の壁も窓のガラスも猫も犬も個別に周波数を持ち熱線を放っています。この放った熱移動が輻射です。代表的なのは太陽です。太陽の暖かさは実は輻射熱なのです。身近では焚き火や薪ストーブ、これも輻射熱です。これらは猛烈な熱線を放っていますので人が放つ熱線より大きい、だから暖かさを感じるのですが、性能の低い家の壁だと人の出す熱線より壁の熱線の方が弱いので熱が奪われ寒さを感じるのです。
皆さんは経験があると思いますが、コンクリートの壁の近くは壁から冷えを感じませんか?窓に隙間がないのにガラスの近くでは寒さを感じませんか?これが輻射による熱の作用なのです。そして自然界ではこの輻射の作用が一番大きな役割を果たしています。そして家の快適性はこの輻射熱を出す壁と窓の断熱性を高めないと快適性は増しません。
日本の家はほとんどが採暖で暖房ではありません。暖房とは文字通り房(部屋)を暖めるから暖房なのであって断熱性の低い家の場合は採暖と言ったほうが的確な表現となります。採暖とは言って見れば焚き火です。焚き火は焚き火の火源付近は暖かく焚き火に向かっている身体の正面は温かさを感じますが、背中はどうでしょうか?寒いですね、だから焚き火に当たっている時、背中を向け暖めるのですね。そうです。今皆さんのお住まいはどうですか?こたつに石油ファンヒーターを使用して部屋の真ん中に集まっていませんか?
ガラス面積の多い掃き出しサッシには厚いカーテンで覆っても寒く、背中は冷気を感じませんか?この状態を私は採暖と言っているのです。おまけに暖房器具を使用している部屋以外は寒いですね。だから最近良く報道されるヒートショックによる血圧の上下乱高下に気をつけるようにと呼びかけているのです。ヒートショックによる死者のトップは各都道府県では長野県と東京なのです。もちろん人工割合を加味しています。北海道や東北なのかなと思われるかもしれませんが北海道は高気密高断熱の家が当たり前で家中どこにいても暖かいのです。関東地方ほどの温度差はありません。ので北海道はヒートショックによる死者は少ないのです。
暖房とは家の躯体、壁や床、屋根そして窓などの外部に接する部分を高断熱化するだけで蔵のような、土壁で出来た土蔵のような家になるのです。このような高断熱の家で初めて暖房器具の効果が著しく発揮し、エネルギーロスが少ないのでエコにもつながり壁、床、屋根、そして窓から冷気を感じる事無く部屋中快適に過ごせる結果に繋がるのです。
今までの家での冬は朝になると室温が2,3度、だれも寝ない部屋ともなると0度とかになります。夜は夜で寝返りをうつと布団の隙間から冷気が入り目が覚める。トイレに行こうものなら一気に身体が冷え目が冴えそこから寝れない。あまりに寒いので帽子をかぶりながら寝る。布団から足がはみ出そうなので靴下を履いて寝る。そもそもパジャマが薄いので上下フリースを着て寝るなどぐっすり眠れる環境になっていません。
これが高断熱住宅だと朝の室温が15度前後となりズバッと布団から起きれます。寝返りうっても冷気で目が覚めないのでぐっすり寝れ疲れが取れる。トイレに行っても興ざめせずに用が足せる。など生活レベルがグンと上がります。寒い日外出先から帰ってきて寒いなと思っても気が付けば薄着になりかじかむ事もなく身体を動かせ勉強や趣味にも力が入ります。
と高断熱の家は生活感が全く違うのです。もし今ある家を高断熱化したいというのであれば断熱改修工事は出来ます。建て直すなら是非高断熱住宅を目指してください。日々の光熱費も安く済み大きな恩恵となって帰ってきます。
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2012年1月28日 | コメント/トラックバック(0) |
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