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構造躯体 2×4・2×6

ツーバイフォー住宅

当社は主にツーバイフォー住宅を手掛けていますが、在来軸組み工法が出来ないわけではありません。ただこのHPでは施工例の写真としてツーバイフォー住宅が多く、軸組み工法の写真が今のところ古いものしかありませんのでしばらくはツーバイフォーの写真を交えながら紹介したいと思います。

その前にツーバイフォーの矩計図を紹介します。画像の出典はエクスナレッジの「世界で一番やさしい2×4住宅」から。


世界で一番やさしい2×4住宅

ここでの床組みと現在当社で行なっている床組みは違います。剛床工法を採用しています。床根太を2×6材で組んでいかないで28ミリの床構造用合板で土台大引きの上に張っています。詳細は写真で見てみますが、その前にツーバーフォーの特徴を簡単にパッパッパと紹介します。出典は同じく「世界で一番やさしい2×4住宅」から

その1 そのままでも高い性能になる耐震性能

上部の絵にもあるようにツーバイフォーは構造用合板を貼り面で耐力壁を作り耐震性能をつくります。建物は立方体だから六面体のサイコロのように面材で覆います。これをモノコック工法をいいます。ツーバイフォーはその成立過程からほぼ変わる事無く同じ構造方法を取っています。昭和40年代に導入が始まったツーバイフォー住宅は地震国日本において、構造体の仕様を強くしていった歴史がないのです。

これはどういう事か? 日本では在来工法がありまして地震により建物は沢山倒壊を繰り返しました。この大きな地震により建築基準法の耐震性能が度々見直され、今の耐震基準、耐震等級が生まれたのです。要するに「地震で倒壊しないように構造躯体の見直されどんどん強くなっていった歴史がある」という事なのです。最近は在来工法も筋交いだけでなく構造用面材をツーバイフォー住宅にように張るようになり、在来工法でも耐力壁云々というようになったのですからツーバイ化していっていると言っても過言ではありません。

これを言い換えるとツーバイフォー住宅の「モノコック構造」が耐震に有効だという事なのです。これは経験と力学による結論と言う事で実証と呼べます。そして先ほど述べたツーバイフォー住宅は大きな地震による倒壊がなかったのか構造躯体の仕様がこの日本で厳しくなった歴史がありません。むしろ部分的に緩和措置が取られているほどなのです。

ということはツーバイフォー住宅は標準躯体がモノコック構造なのでそのままでも耐震等級が高いという事なのです、くどいですが。 何故くどいか?それは在来工法の場合、会社によりますが、外に合板を張る仕様はオプションになっている場合があるからです。この場合、合板を張らないと耐震等級が低くなっている可能性があります。またこの日本には何々工法というのが無数にありどれが本当に耐震に効果があるか不明な要素が拭い去れません。先ほど言った実証がないからです。

だからといって在来工法が劣っているとは言っていません。しっかりと外に合板をはり、耐力壁計算ができ、建築基準が求めている耐震等級を満たされていれば何ら問題はありません。何ら問題はないのですが、それは建て主がキチンと耐震等級を要望していればという場合です。建築資金に予算がない場合、合板がなく耐震等級も1のみとなりえます。

その2 防火・耐火性能

絵の中段にありますようにツーバイフォー住宅はそのままの構造躯体でファイヤーストップ構造になっております。これは文字通り火の通り道をストップさせる構造です。みなさん容易に想像できますが火と煙は煙道があると、つまり空気の通り道があると勢いを増します。これは自然の理です。だれも否定できません。

ツーバイの構造は壁の中自体、絵にあるように火が躯体に廻らない、つまり煙道がない構造なのです。ですから一般的にツーバイフォーの家は全焼するのに40分以上かかると言ってます。絵の下段の写真をご覧下さい。木造3階建ての防火実験、1時間の耐火性能を実証したとあります。これは素晴らしい実績です。

では、在来工法はどうか? 残念ながら在来工法は壁の中が煙道になるのです。構造上火に対しては致命的な構造といえます。壁の中が煙道になる、在来工法の場合全焼するのに十数分と聞いた事があるのでツーバイとの差は歴然としています。火事場の時、数分の差で明暗を分ける時があります。この火事場での耐火性能は大きな差といえるでしょう。

ついでに壁が煙道状態だと繊維系断熱材を使用している場合、断熱性能を著しく低下させている事をご存知でしょうか? 理系が得意な方ならあっさりといいたい事が分かるかも知れませんね。どういう事かと言いますと熱の移動の原則の一つ、それは空気の移動です。空気には熱を含んでいますのでグラスウールなどの繊維系の場合、いくら壁に断熱材を充填しようとビニールが破れている状態の場合(電気配線やサイズなどの関係で大概カットされビニールは破れている)壁の中で上昇気流が発生し、熱も移動して著しく断熱効果を下げているのです。

ハウスメーカーのカタログには壁に90mm、100mm、高性能グラスウールを充填しているので高断熱住宅ですよとメーカーの営業の方がアピールしてもその性能は発揮できずにいる住宅が在来工法の場合沢山あります。

では、在来工法の場合、この断熱性能の低下やファイヤーストップは出来ないのか?と問われれば、それは出来ます。 つまり気流止めの施工をすれば良い訳なのです。これは明確に施工方法として記載されております。しかし悲しいかな、この気流止めは結構面倒でキチンと気流を止めている会社がどれだけあるか?疑問です。ツーバイはその構造から自然と気流止めになるのであの会社のツーバイは気流止めがないと言った事はあり得ません。

その3 気密・断熱性能

ツーバイはその構造が単純なため、隙間がなく、高気密化が容易な工法です。在来は先ほど申し上げた例にあるように高気密化がかなり面倒で気密化が徹底されない方向にある工法と言えます。高気密化は高断熱化と切っても切れない関係なのでセットと考えてください。まあ、発泡系の断熱材を採用する事により容易にはなりましたが・・・

まあ、特徴としてはこんなものでいいでしょう。

さあ、写真にまいりましょう。

まず基礎パッキンを基礎土台においていきますが、これは基礎のページにて紹介していますので土台大引きの工程から紹介いたします。

土台を基礎天端に敷き込み大引きをプラスティックの束に乗せ金物でとめます。この土台大引きの工程の前に基礎の天端を掃除し、墨出しを行ないます。これは基本的な通り芯を出す為です。そして対角をみて矩(直角)をみます。 もちろんこの時隅出しが許容範囲を越えている場合はやり直します。それから基礎パッキンなのです。ですから基礎の写真にはこの隅出し工程の紹介が抜けています。

さて次に防蟻工事を行ないます。

近くで見るとこんな感じです。

よく見ると土台大引きに無数の穴がありますね。これはすでに加圧注入剤の土台大引きなのです。何を注入しているのか?防蟻の薬剤です。これにより長くシロアリから土台大引きを守るのですが、これに更に防蟻処理をしています。

床に断熱材を入れます。床下に落ちないようピンで断熱材を留めて隙間のないよう敷き詰めます。

大工さんが根太ボンドを付けて構造用の床合板厚み28ミリを張っていきます。

床合板を張り終えました。次に1階壁を作り、2階床を作り、2階の壁を作り、小屋組みを作り屋根を作っていきます。

1階壁を起こしている状態です。

このように金物もホワイトボードに書き込み写真を撮ります。検査機関に提出用です。

少々ホワイトボードが多いですが、確認検査機関に提出しなければならないので紹介しています。

窓下の赤茶色の色は防蟻処理をした後です。建物は1m付近まで処理をしなければならないのです。

防蟻処理をして電気配線がされています。一部柱の内側に材木が打ってあるのは下地補強をする為です。仕上げ材をクロスでもペンキ塗りでも何でもいいのですが家の内側は圧倒的に石膏ボードが多いです。しかし石膏ボードはビスが効かず重たいものを壁に取り付ける場合下地に合板を入れるのです。合板だとどこにビスを打っても効きますので重たいものをぶら下げても平気です。

無事に屋根が上がり屋根屋さんがルーフィング工事をしています。以上ここまでが写真で見る構造躯体、フレーミング工事です。

2012年4月14日

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