素敵な家をプロデュース

契約する前の確認事項

何にも決まっていないのに契約していませんか?

建物の請負契約をする前に是非確認して欲しい事があります。  いやその前に資料を取り寄せ商談する会社候補を選択したら次のものを必ず資料としてもらいましょう。

仕様書は必ずもらう!(仕上げ表)
平面図・立面図・配置図も必ずもらう
見積もり詳細も必ずもらいましょう。

もし建物をいい加減なものにしたくないのなら表にある資料を事前にもらう事をお勧めします。

そして、それらを比較検討する必要があるでしょう。 

なぜなら坪単価というのは見えない部分に関しても入っているのであり、この見えない部分が建物の品質に大きく関わってくるからです。
仕様書は主に屋根は何々、その下には・・例えばアスファルトルーフィング22㎏ とか、またリビングの壁材はクロス、あるいは塗り壁とか、キッチンはどこのメーカーで寸法とか・・・
という具合に詳細に仕上げが書いてあります。 これは他社との比較に大きく役立つはずです。

分からない所は担当営業にどんどん聞きましょう。 もし商談相手がメーカーなら必ずあるはずです。 工務店でもきちんとした所はあると思います。
ではこれが無いとどうなるか? 契約して図面をもらう時に聞いていた内容と違っている場合もあります。

何故ならもし値引き交渉で相手が条件をのんだ場合、仕様書の内容を変えられる可能性があるからです。こういった事を未然に防ぐためには事前に仕様書を貰うしかないと思います。

次に大事なあなたの家の平面図・立面図・配置図です。これは本当に貰って下さい。
と言いますのもご経験ある方がいらっしゃるから知れませんが、平面図・立面図・配置図が決まっていないにも関わらず契約に至る場合が多いからです。

信じない方がいるかもしれませんがこれは事実多いです。そんな馬鹿なと思う人はまだまともです。ですが、それでも大手ハウスメーカーや住宅展示場にいって商談するといきなり家に訪問しひとまず申込をお願いしますと言って契約書だったりする事はあります。

上記の手法は最近はかなり減ってきたと聞いていますが、それでも大雑把なプランニングで詳細を決めず、大きさだけざっくり決めて契約しましょうなどはざらです。特に土地が決まっていない人に対するアプローチは申込という名の契約でしょう。

あなたがどうしてもそこで契約したい場合は問題ありませんが、契約するまで何が起こるかわかりません。気持ちも変わる可能性があります。ですからどうしてもという場合は小額で契約行為を行ないましょう。

これは大事な自己防衛です。

万が一気持ちが変わる、条件が変わるなどが生じた場合に備えて傷口を小さくしておく必要があります。

次に矩計図(かなばかりず)って知っていますか?

次の矩計図というのは建築物の構造上の標準となる断面図であり、各部の寸法及び詳細内容が解るように、基礎の寸法断面から、軒先、屋根の部分までを表現している図面の事です。

これは大事な部分なのでよく見てください。 壁の中はこうなっています。  これを提出できない業者は構造に関して知られたくないか、自信が無いかのどちらかでしょう。

これが建物の快適性を生むか、生まないか、長命なのか、そうでないか、頑丈なのか、そうでないのかが判断できます。  

資産価値を維持するためにも是非、これから建てる人は比較検討するべきです。  少し解説しましょう。     

(※例として2×4住宅、すなわち枠組み壁工法の場合は図のような矩計になります)

1階と2階の外壁に上からサイディング、胴縁、防風透湿シート、構造用合板・・・とあり ○のなかにカタカナでアとありますね。 これは材料の厚みの事です。 また胴縁(どうぶち)とあるのは外壁側に通気層を設ける為に必要な部材なのです。

これは壁内結露を防ぐ重要な部材であり公庫仕様書にも
☆ 壁内の結露は、断熱材の断熱性能及び木材の耐久性能の低下を生じさせる
原因の一つとされている為、壁内に侵入した水蒸気を外気等に放出させるための措置を講じる事が重要である。

とあり、その構造は土台水切り部から軒天井見切り縁に通気出来る構造。 か土台水切り部から天井裏を経由し小屋裏換気孔に通気出来る構造 とあります。
以下の図が分かりやすく表現しています。

このように矩計図を資料として予め頂いておくというのは業者側にけん制ができ、いい加減な施工は許さないぞという意思表示でもあるのです。
もちろん現場が始まったらしっかりとチェックして下さい。

また在来工法なら伏図、2×4なら構造図、これは完成したからでもよいので必ず貰って下さい。頂けないのならしつこく要求しましょう。構造図、伏図はあなたの家の根拠そのものです。この根拠があって家が建築できるのです。その根拠が不明なままだと後々大きな問題になりかねません。 これは必ず貰って下さい。 あえて渡さない会社があるからです。

次にいきましょう。

基礎仕様も大事です。

基礎仕様図も同じ事です。 下に図を用意しています。 これが当社の基礎の仕様書です。Dというのは異形鉄筋の直径です。 
GLとは地面の上の表面でそこから下に300ミリ伸びていますね、これは凍結深度により変わってきます。

基礎では下からの湿気対策として防湿フィルムを施します。 これをやる事により湿気がかなり抑えられ床下木部の腐朽、及び防蟻対策になるのです。

商談に入る前に

これらの資料を集め数社と比較検討し、商談に入る会社を定めたなら具体的に間取りからオプション工事見積もり等を経て詳細な見積もりが出来てくるはずです。

そして具体的な見積もり金額が提示されないうちは申込金や予約金などの金銭の授受はやめた方がいいでしょう。 本来はこういったものは必要ないはずです。 

業者がこういった物を事前に払わせるのはお客さんを逃げられないようにしているテクニックなのです。
土地売買の手付金とは全然意味が違います。 
確かに手付け金という意味は売買・賃貸・請負などの契約締結の際に、契約の証拠、違約損害の補填、解約権利の留保として、買い主や注文主が相手方に渡す金。いずれ代金に含めるが、代金そのものではない。
となっていますが見積もりがでない状態での金銭の授受は気持ち悪くて当社では出来ません。

また見積もりがでない時点でお金を払い、気が変わったとします。 その時全額返ってこないケースもよく耳にします。 業者側にも敷地調査代や地盤調査代、事務手数料などの経費があり言い分はあります。 

説明不足なのかは知りませんがこういった問題はよく耳にします。くれぐれも説明をよく聞きトラブルのない商談が良い家を建てる条件ですね。

極端な例ですがこういった事例もありました。 同僚のお客さんが、当社の同僚よりも知り合いの大工さんにしますと言いポーンと1500万円預けて家を建ててくれとお願いをしたそうです。 数ヵ月後に出来上がった家は相当なお粗末な物だったらしくクレームの付けようもなく(書類がなく口約束なため)泣き寝入りするしかなかったと聞きました。
そういう事がないように必ず書面にて確認しましょう。

では当社はどうかと言うと見積もりができ、契約の意思を確認してから契約日を決め、その時に契約金10%を頂く事にしています。 そして着工までに30% 中間金30% 最終金30%を原則にしております。
そして契約の時には各種設計図書も頂きましょう。 仕様書もクロスの品番や屋根の色、キッチンの色類は後になる場合が多いですからいいですけど、使われる素材などは契約前に決めておきましょう。 でないと後でもめる事になります。

2011年1月15日

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