素敵な家をプロデュース

建築のコストパフォーマンス

原価公開で家作りすれば楽しみも倍増します。なぜなら把握するからです。

本当に良いものはどの分野でもそうですが高くて当たり前ですよね。 でも中には値段の割りにお買い得商品やサービスというものが存在します。

本当にいい商品とは

その商品分野における客観的価値を十二分に備え持ち、かつ安価である事。
に尽きるのはないでしょうか?
なんでもそうですがお金を出せばいくらでも良いものは買えます。 しかしお金持ちでない限りなるべく安くて良い物を探したくなるのは人情です。 情報があふれる現代において、価値ある情報を見つけ買い物するのも困難になっています。

当社の建物は標準仕様で高気密高断熱になっていまして、計画換気システムも標準仕様になっています。  又基礎はベタ基礎が標準になっておりシックハウスの原因とされる建材の使用も極力避け、きわめて健康的な住宅を提供しています。

当社では原価公開しております。 原価を公開する事により明確にお客様は理解する事になります。 何をかと言いますと当社の見積書には職人さんの手間まで表記されているので建築コストが如実に認識し理解出来るのです。
この内容は同業他社さんのざっくばらんな坪単価設定を簡単に粉砕する見積もり内容になっています。総予算にしても同様です。
それにはまず業者が使う仕掛けや坪単価の仕組みを理解する必要があります。

チラシに出ている坪単価は呼ぶ為のエサだと思え!

住宅メーカーのチラシやりファーム関係のチラシは、チラシに安い金額を表示するのは当たり前で中には「ほんまかいな」と疑いたくなるようなチラシばっかりです。
ではそれは全くのでたらめなのかと言うとそうではなく事実な場合が多いのです。 しかしその仕様が問題で、物足りない仕様が多く実際の仕様はあまり掲載されておりません。

その金額の建物は掲載されている写真とは大きく異なりまさにイメージでごまかしていると言えるでしょう。 本体以外の広告でこれまた、ほんまかいなという内容のものもあります。
しかしやはりというか内容に少々問題がありました。

たとえば、以前にこんな例もあり
給排水工事無料、外構無料、その他諸費用無料というのがありました。 私のお客さんで、それが魅力にうつり契約をしました、と言って来ました。
しばらくして電話があり契約を解除したいのだが相談したいとの事。 どういうわけか分からないのでとりあえずお客さんの家に行きました。
そして一枚の見積書を出してきたのです。 「これを見てください」 と。
そこには外部給排水工事の見積もりがあったのですが、
当初見積もり180万、外部給排水無料分80万差し引き100万円とありました。
当社ではそのお客さんの見積もりをすでに出していたので、お客さんは当社の給排水工事の金額を知っていたのです。 その金額は浄化槽工事込みで90万だったのですが逆に高くなるばかりか無料とチラシに書いてあるのに全然無料ではなく最初の180万は一体何なのかという事でした。  思わず笑いそうになりましたがこれが狙いであり仕掛けだったのです。 

外構もお客さんの場合は付いていないプランと説明をされており、そのお客さんは契約したけれど契約を解除したいと申し出たそうです。
そしたら
契約は解除できるけど申込金の50万は返さないと言ったそうです。 この言葉があったから私に電話をしてきたのです。
それにしても不親切な業者です。 それだけの実費が掛かったなら仕方のないことですが地盤調査もしていない、敷地調査もある程度、もちろん間取りもなく、図面や確認などこれからという段階で返さないとは不親切極まりない対応でした。 私は気の毒なのでたくさんの身内を一緒に連れて事務所に行きそこで断固抗議し騒ぎなさい、とアドバイスしました。

気の強い母親の助けがあったらしく事務手数料5万円の実費だけで済みましたが、要はチラシの内容をよく確認しなかったから起きた出来事なのです。 業者の説明不足もあるでしょうが購入する方にもよく注意をした方がいいという事例です。

では何故こういう給排水工事無料などとチラシに打つのでしょうか。 それはチラシの反響をよくする為です。 でも実際は最初の見積もりを高くつけ、値引き額を入れ最終的な金額を計算し損のないような見積もりを出すわけです。

この事例で得られる教訓は、外部給排水工事の例にもあるようにどんな業者であろうと建築工事をするからには同じような原価が掛かるということです。

日本で家を建てる限りそう金額が変わるはずがない!

少し古い情報がですが公庫が融資を受けた全国の住宅の建築工事費単価(平均値)を発表しています。(最近は発表していません)
それによると青森県が一番安く一㎡当たり11万円ぐらいとなり坪単価では36.4万円になっています。逆に一番高いのが東京で一㎡当たり16.3万円となり坪単価は54万円弱となります。

これには諸費用や外部給排水、その他外構、登記費用等も含まれておらず純粋に建築費用と考えてください。  (延べ面積100㎡基準)
この違いは地域性による職人さんの手当てや運搬費用、倉庫費用等の違いにより生じていると思われます。 しかし遠方に引っ越さない限り建築費用はその地域の平均坪単価になるのではないでしょうか?
という事は同じような工法と材料を使い、引き渡すのであれば原価が大きく変わるはずがありません。 

では何故こうも坪単価に開きがあるのだろう?

売り方にはいろいろあり、それぞれ事情がある!

使われている造作材やサッシ、木が違えば値段の違いが生じて当たり前なのは小学生にも分かります。
では同じ工法で似たような造作、サッシ、外壁、仕様なのにどうしてと思うぐらいの金額の差があるのでしょう。 そこで考えられる事をあげると

会社取り決め坪単価と最終的な坪単価の違い。(大手メーカーに多い)
諸費用の取り方や延べ床面積の計算の仕方で帳尻を合わす
あるいは単純に利益率の違い

等があります。

諸費用を知ること、それは建築計画を進めるための必須項目です。

から説明するといわゆる二重価格(服屋さんの値札に多く二重の価格があって安く思わせる手法)を使う方法で大手メーカーがよく使います。
みなさん御存知の大手メーカーはよく宣伝していますので一般的に信頼があるように見えます。 そして安心感があります。
その大手が「うちはプランド商品です。 何々さんには特別にこの価格で提供しましょう」、といきなりも値下げをされたらあなたはグラッときませんか?

    来ますよね、

でもこれは最初からゲタを履かせているだけなのです。 あとで商談の際にとどめを用意しているだけなのです。それから多いのが決算月だからです。 決算月だからお値引きできると説明し如何にもあなたの為に安くしますと言っていますが毎月決算日と説明している会社もありゲタを履かせているのには変わりは無いのです。

この説明は競合対策にもなりますし、あり難く思わせるのにもってこいの手法なのです。 
これにグラッと来た人はすでにその会社の虜になっています。 
私に言わせればただ思いっきり利益を乗せておいて採算が取れるレベルに合わせているだけなのですが・・・
これが分かっていれば最初の金額は一体何なのか? という疑問がありますね。

の諸費用の取り方は先ほどの給排水工事から取るとか仮設費用等で多少多めに利益を確保するなど工夫をします。 延べ床面積の計算は会社にもよりますが吹き抜け部分を算入する等をして利益を確保する方法です。○○ホームという有名なローコストメーカーがありますがバルコニーから玄関ポーチまで驚きの坪単価算入です。実質坪2割増しだという事でした。
は書いてある通り裏読みせず字面どおり理解すればいいのです。 そしてこの は最も粋のある商売だと思っています。から の部分を織り交ぜ工夫し各会社は切磋琢磨しているのです。 これらのやり方は決して悪い事ではありません。 売るための努力なのです。

当社はの要素が強くの要素はないです。 つまりぎりぎりの値段で販売をしているので値引き交渉をされても困るだけで対応が出来ないのです。 もちろんオプションをたくさん付けてくれるお客さんの場合はそれなりに対応をしますし、例外もありますが原則は値引きなしです。

住宅先進国 北米から学ぶ住宅の利益率!

この項目はぜひ読んで欲しいところです。 

まず北米には巨大なハウスメーカーなどは存在しません。 住んだ事がないので私自身は確認していないのですが住んだ経験の長い人の話によるとハウスメーカーのコマーシャルなど見た事がなく、日本では当たり前のようにあるモデルハウスもあまり存在しないのだそうです。
北米での一般専用木造住宅は、ほぼ枠組み壁工法、つまり2×4、2×6工法で出来ておりしかも断熱方法は内断熱、つまり充填断熱なのです。
そして日本と決定的に違うのが金額で、坪単価も30万前半ぐらいで販売されているのです。
驚く事にこれには土地が入っています。

車庫も入っている場合があり少しお金を出せば地下室まで付いているのです。
何故こんなに安いのか? 様々な国の事情があるとしても見逃せないのが利益率の違いでしょう。 これはその国の経済事情云々の話ではありません。

市場原理なのです。

北米のエンドユーザーの目は厳しくその目は品質のみならずデザイン性、機能性、設計に敏感で日本で流行のバリアフリーだとか高気密高断熱、省エネルギーなどは当たり前の事であり、これらを要素を打ち出して販売しても相手にされないだけです。

日本では他のメーカーとの差別化を図るために、住宅の基本性能部分を売り文句としている所が多いのは、それだけ日本のエンドユーザーの住宅に対する知識が乏しいからなのでしょう。  そして、建築行政も海外から学ばず、長年に渡って指導を怠った結果によるものだと思います。話し戻って、北米のエンドユーザーは価格にもうるさくまず高いと売れません。 

利益率はずばり、15%から18%と聞いています。

まるでディスカウントショップの利益率です。  そして気になる日本のメーカーはこれまた開きが多く大手メーカーは50%ぐらいか60%と聞いた事があります。 信じられますか?

まるで悪徳業者のような利益率なのですが何も住宅に限らず原価というものはそういう類のものが世に溢れています。 たとえば清涼飲料水、これの原価は2円か3円です。 化粧品工場に努めていた従業員の話によると一本5千円の乳液の原価は50円で、それを入れる瓶の方が高いといっておりました。 

でも皆さんは何の文句も言わずに商品を買っています。 それはメディアを使って宣伝しているからでありメーカーが設定した金額だからなのです。   スーパーに行って、この大根高いから安くしてくれ、という人は少ないはずです。 

コストが安く冷暖房効率の良い家、施工も安心できれば言うことなし!

北米で大きなハウスメーカーが無く、CMがないのもそういう理由です。 宣伝すればするほど売値を高く設定するしかないのです。  又会社が肥大すると商品開発や管理する人、はては大きなビルを維持するために金がかかりますし、モデルハウスを抱えるだけでコストも上がります。 総合展示場にモデルハウスを持っているメーカー等は契約数が上がらないとやっていけないでしょう。 

また展示場に足を運んだ際にくれる重たいパンフレット、これら全てにお金がかかり、購入する人の坪単価に跳ね返るのです。 

北米のビルダーは地場産業で、従業員5人から10人の無数の工務店が存在し、職人はユニオン(組合)に登録されていて、そこから派遣するというシステムを採っています。 どこで建てても変わらない高品質、となればデザインや設計で競争するしかないでしょう。彼らは組織が肥大することによる弊害(先ほど述べたような宣伝広告費)を良く知っているのです。(ここでの話はあくまで住宅産業界の話ですよ!)

次に大手ではないメーカーや工務店はどうなのかといえば北米のように利益率でやっている所もあります。 しかしだいたいが20%から30%ぐらいと思った方がいいでしょう。

いろいろ話しましたが、
この欄を締めくくる言葉として家を建てる際の最重要項目は 「 信頼関係 」
ビルダーと建て主の信頼関係です。 これが出来ていればそれが納得の坪単価なのです。
次は家を購入するにあたってのもう一つの重要な視点、 LCC (ライフサイクルコスト)
についてお話しましょう。

2011年1月17日

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