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高断熱住宅と一般住宅|比較する年間灯油消費量

Q値計算ソフトによる年間灯油消費量

住宅の断熱性能を表すのにQ値計算という方法があります。Q値とは「熱損失係数」と呼ばれ住宅の室内外の温度差が1℃あるとして床面積1㎡あたり1時間でどれだけ熱が室内から外部へ逃げる熱量の事です。表題は高断熱住宅とそうでない家の年間灯油代の比較です。

それで表題にあるように両方の家の灯油代金をQ値計算ソフトを使って比べてみました。その結果を見て住宅を購入する場合の材料にして欲しいのです。

 

ではQ値計算ソフトと使って予測してみましょう。ちなみに当社で使っているQ値計算ソフトは
NPO法人新住協で販売されています。

 

エクセルで使えますし値段も数千円です。住宅関係者は持っていても損はないのでご存知でない方はお勧めします。名前はQpexと言います。

 

では、始めましょう。

 

 

表紙です。開始をポチっと押しましょう。

 

 

下のほうに2階30坪標準邸と2階30坪高断熱邸とあります。黒丸●にはⅣ地域を選択しております。他の地域の方には申し訳ございませんが当社は埼玉なのでⅣ地域を選択しました。では次ポチっと行きましょう。

 

 

高断熱住宅の天井仕様です。天井の断面図があります。a.b.cとあります、黄色の反転された部分にそれぞれ右側の材料の選択と厚みの数字を入れます。すると自動で計算される仕組みになっております。

ここでは仕上げ材は一応クロスなので無しと選択しています。aです。
次にbは石膏ボードで厚みは12mm
次にcは5番で「HGW16K」とありますが高性能グラスウール16kとあり厚みは210ミリ入れますのでこの様に設定します。本来は吹き込みグラスウールなのですが、設定項目がありませんので5番にしました。なお熱伝導率などは同じですので計算結果に支障はありません。

上記は標準の30坪で天井は一般的に多い10kのグラスウールで厚みは100mmとしました。よく聞く、または見る建売やローコスト住宅メーカーの仕様だからです。

この二つの住宅の違いは断熱材の種類と厚み、そして後に出てくるサッシ以外は全く同じ設定にしております。でないと正確な比較になりませんので。それで下段の熱損失係数と年間灯油消費量に着目してください。既にこれだけの差が出ております。なお熱損失係数は低いほど断熱性能が高いという事になります。

では、次行きましょう。

壁仕様に写りました。言い忘れましたが建物は2×4住宅にしました。総2階建ての30坪です。ここでの壁仕様は赤矢印のある充填断熱のみ(204)です。

高断熱タイプの仕様です。壁も高性能グラスウールで90mmにしました。正確には89ミリだろうと突っ込まれそうですが気になる数字の変化ではないのでこのまま進めます。

標準仕様の家は壁のグラスウールの仕様は同じで10kです。そして厚みは50ミリにしました。Cのところでご確認下さい。下段の年間灯油消費量は1712リットル、高断熱タイプは1042リットルですから今の段階では666リットルの差が出ています。

ちなみに熱損失係数は高断熱は1.477で標準は1.971になっています。では、次ポチっと行ってみましょう。

根太レス工法なのでそれを選択しました。外気に触れる基礎はなしなのでなしにして先に進みましょう。

床の断熱材は同じ材料を瀬選しております。同じような物だからですが厚みは当然ながら違います。高断熱は85ミリで標準が30ミリです。これは年間灯油消費量はほとんど変わっておりません。標準は50ミリとしようか考えましたが30ミリが多いと聞きましたのでその様にしました。

ですが気になり50ミリに変えてみましたが結果は変わらず年間灯油消費量は同じでした。この結果を見て床の断熱を疎かにして良いと早合点してはいけません。年間灯油消費量は変わらずとも床の熱抵抗値は確実に変化しています。熱抵抗値が低いと寒く感じるのは必然ですので早合点は禁物です、念のため。

それでいよいよサッシですが、ここからの数字の変化を見逃さないで下さい。激変します。いままで確かに違うがそれがどうしたみたいな感じを受けた方がいるかもしれませんが、ここから世界が変わります。では。

上記が窓の仕様で今回上げた二つの家の仕様は断熱材の種類と厚み、そしてサッシ以外は全く同じ仕様です。この窓は窓の設置する方位、サッシ寸法、サッシに仕様と細かく記入する欄があります。高断熱タイプは樹脂製サッシにガラスはLow-Eガラスにアルゴンガスを入れたものを選択しました。

右側の表にK値とあります。熱還流率の事で数字の値は2.00とあります。この数字の低い方が性能の高い証拠なのです。この中では木製3層ガラスのLow-Eガラスが一番性能が高く、1.30というK値を叩き出しています。

ちなみに標準の家の仕様はアルミサッシにペアガラスを選択しました。番号では12番で熱抵抗値は4.65という数字です。年間灯油消費量に注視して下さい。驚きの変化です。一気に1292リットルの差が出ました。熱損失係数は標準の場合2.564と2点台半ばに上昇しました。

高断熱タイプは1.479と高い性能値で推移しています。次ぎ行きましょう。

このソフトの入力手順に進めましたがこの時点では建物の天井面積や外壁面積、気積など修正する事になっています。デフォルト設定では45坪の住宅での計算でした。そこで総2階30建てを想定していますので大雑把な計算で恐縮ですが計算しました。その結果が上段と下段です。上段は高断熱住宅で下段が標準住宅です。

灯油消費量が変わりました。それぞれ778リットルと1865リットルです。その差は1087リットルです。でも何か違和感があります。埼玉でも778リットルは多いように思えます。次に行って見ましょう。

計算結果とありますが、灯油消費量の計算とは何でしょう。という事で先へ進みましょう。

ん、室蘭に地域が設定されているではないか、おかしいぞ最初にⅣ地域に設定しているのに。
そうです、このソフト実はここで暖房設定温度と共に選択し直すのです。暖房方法もFFボイラーとあります。設定しなおしましょう。次へ

という事で地域を埼玉県所沢市に設定し直しました。また暖房方式はFFストーブです。他に選択肢が無いのでこれにしました。FFストーブとは強制排気で空気を汚さないストーブです。一般的な内部で燃やす灯油ファンヒーターとは違います。

温度設定は18度にしました。贅沢はいけません。それで上段は高断熱仕様で下段は標準仕様です。

おやおや、下段の年間灯油消費量を見てください。それぞれガツンと下がりましたね。最終結果を表示します。

最終結果で熱損失係数がそれぞれ

1.76と3.18
年間灯油消費量は
419リットルと1146リットル
でその差は
727リットル、今の灯油代金で比較しましょう。
灯油1リットル85円が店頭価格ですから85×727=61,795円となります。

つまり年間6万円ぐらい差が出ますので10年で60万円、20年で120万円となります。

そして大きく変わる最大の原因がサッシなのです。樹脂サッシ、Low-Eガラスに変更したらどれぐらい変わるか、おそらく高くても50万はかからないでしょう。良心的な会社なら20万円代で変更してくれるかも知れません。

すでに建てている人はトステムなら堤真一のインプラスで、YKKならプラマードUです。住宅エコポイントが付きますのでかなりお得です。今はお金の面で話していますが実際に体感すると部屋の寒さがかなり軽減されます。びっくりします。感激すら覚えます。

それぐらい違うのです。今回はQ値計算ソフトを使って具体的にシュミレーションして高断熱にするメリットを記事として掲載しました。これから住宅を建てる人、検討してらっしゃる方は是非、参考にして、計画してください。

最後に当社はリフォームとしても窓のエコリフォームをしています。ご検討の方はお問い合わせ下さい。では、今回はこれで。

 

 

 

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2011年2月27日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:建築技術

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