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室内の空気汚染VOC(揮発性有機化合物)

シックハウス症候群と化学物質過敏症

シックハウスと化学物質過敏症、この二つは別とされています。シックハウスが住宅由来からくる健康被害で、化学物質過敏症は化学物質の暴露による健康被害が起きるという概念です。しかし我々一般人から見て「化学物質が原因で健康被害が起きる」、これで充分な説明だと言えます。

それでは室内におけるシックハウスの原因、危険な化学物質とはどんな症状を起こすのでしょうか。特に危険と言われているのが接着剤に使われるホルムアルデヒド、材木の耐久性を高める防腐剤、防カビ剤、シロアリさんの駆除の薬である防蟻剤などでですが、下記にまとめました。

 

化学物質が原因と言われる主な症状
1、 立ちくらみ、めまい
2、 はきけ、食欲不振
3、 アトピー性皮膚炎、喘息などアレルギー症状
4、 不眠症で昼眠い、考えがまとまらない
5、 目がチカチカする、視覚異常
6、 手足のしびれ、手足の関節が腫れる
7、 味覚異常、口内炎、口が渇く
8、 下半身の冷え、
9、 のど元が詰まる、胸が詰まる
10、心臓がドキドキする、
11、インポテンツ

 

などです。これらは複合的に来ますし、症状が軽いと化学物質が原因とは結び付けるには難があります。以前お話したある賃貸のお客様は新築建売へ引っ越しして数ヶ月後シックハウスになられたので原因は新築住宅と突き止めることが出来ましたが(北里大学での診断)、軽い症状だとなかなか気付きません。

現代病の一つにうつ病があります。最近非常に多いです。じつはこのうつ病の原因も化学物質が起因しているのではという報告もあります。

 

VOC (揮発性有機化合物 )にはどんな物があるか

 

難しい内容はそれぞれお調べ頂く事として建築、室内に揮発し存在する主な化学物質をあげるなら代表格のホルムアルデヒドを筆頭にトルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレンでしょう。接着剤系で溶剤です。あらゆるところで使用されています。

 

建材はF☆☆☆☆(フォースター)として基準値より低く使用されていますが、あくまで厚生労働省が現状において入手可能な科学的知見に基づき、人が一生涯暴露し続けたとしても、健康への有害な影響は受けないであろうとの判断により設定しているだけなのです。

 

人には個人差がありますし、耐震基準と同じで問題が起きると厳しくなるのが法律や制度なのでまだ歴史の浅く科学技術の進歩過程での中、果たして安全と呼べるかは決め付けないで常に怪しいと決めつけ対応するのが家族の健康を守る姿勢だと言えます。

 

もしこのブログを読まれた方で、いや国で定めた基準だから問題ない、気にする必要がないと言う方はご自身だけに留めて頂いてご家族や友人の方にはそういうものもあると一言教えて頂きたいと存じます。

 

なぜなら化学物質過敏症は急激に症状が出るわけではありません。時間をかけてじっくり体内で蓄積していくと言われています。人によりいつ満杯になるかどうかはわかりません。比較的子供は発症ラインは低いと言われ、個人差の要素が高いです。ですから今は関係ないと言ってもいつ上記の欄にあるような症状が出るとも限らないのです。

 

そしてその症状が緩やかだと化学物質過敏症とは気付きません。単に体調不良かなと思う程度なのです。じつに厄介です。少し例を挙げますが毎年春になると多くの人が花粉症で悩みます。知人の外国人で彼ら達はアジアの小国から日本へやってきました。

 

日本に永住しているのですが来日して6~8年後近くに花粉症が出始め徐々にその症状がひどくなってきております。話を聞くと自分の国には花粉症の人はいないとの事でした。またその国の人で来日期間が短い人は一切アレルギー症状はなく、その人たちに彼らは「体が弱い」と言われているそうです。

 

花粉症はもはや国民病とも呼ばれていますが、1970年頃までは珍しい病気で花粉症と診断されると奇病扱いされ嫁にいけないとまで言われていた病気でした。スギ、ヒノキ花粉が主な原因だと言われていますが秋のブタクサもあります。

 

それで花粉症の原因についてですがどうやら花粉そのものが悪い訳ではないようです。スギ、ヒノキ花粉に空気中の炭素化合物が付着します。その炭素化合物が付いた花粉が鼻や目、口から侵入し、それを排除しようと免疫システムが反応するのです。

 

では、花粉症の人がほぼいないと思われるアジアの方はしばらく日本で花粉症を発症していませんが何故でしょう。

 

ここで科学物質過敏症の一つであるアレルギー症状が顔を出すのです。体内に徐々に蓄積し準備が整います。そして花粉の時期を境にアレルギー反応として花粉症が発症するのです。彼は多くの自国の人に対して「あなた方も近いうちになるよ」と言っているそうです。私は医者ではありませんので断定は出来ませんが、化学物質が大きく関与していると思っています。

 

最近厚生労働省が子供のアレルギーがあまりにも多いので調査を命じたらしいとニュースで出ていました。化学物質とアレルギーの関連を調査せよ、です。私からすれば何を今更と思うのですがようやく重い腰をあげました。

 

次に使用禁止とはなっていますが防蟻剤では有機リン酸系殺虫剤のクロルピリホス、ホキシム・フェニトロチオンがあります。畳に使用されている農薬は日本の水田で散布されている濃度の20~30倍もの濃度があった事もあるそうです。特に中国からの輸入畳は農薬が多いとされています。気になる方は国産の畳にすると良いでしょう。ですが値段は倍以上です。

 

余談ですが現在GDP世界2位に躍り出た中国は将来アメリカを抜いて1位確実視されています。その中国人でも裕福な人は自国の野菜や米、肉など買わないそうです。高くても日本などの安心できる食材を買っているそうです。その中国でも花粉症は現在2割いるそうです。アメリカで3割、日本は4割だそうです。

 

内装仕上げ建材ですが一番多いビニールクロスは柔らかくするために可塑剤やポリスチレンが入ってています。気にする事のない人はいいですが、気になる人はクロスですら気になります。健康建材を使用したいという人にはクロスは却下の部類と思います。

 

化学物質から家族を守る

 では、このような化学物質から家族を守るためにはどうすればよいのでしょうか?外出先はしょうがないです。条件は他の人と同じです。努力のしようがありません。しかし次の2点は出来る事があります。

その一つが食品に気をつける事ともう一つ、室内環境を良くするです。

今回は室内環境がテーマなので食品における化学物質はご自身でお調べになり気をつけて頂ければと存じます。なお食品から入る毒は経口毒といいます。そして普段洗濯する合成洗剤、化粧品など経皮毒といい、皮膚から吸収する化学物質があります。知らないでは済まされない重要事項ですのでご自身で調べてください。

 

ところで私達は一日の内何割室内で過ごすのでしょうか?ちょっと考えてみましょう。平均的ですが睡眠で6~8時間、風呂30分、食事2回で1時間、トイレ合計15分、テレビでリラックス2時間など含めると10時間弱~12時間弱ですね。

ということはほぼ50%です。あれ、私は室内と言いました。外で働く人以外は室内です。それは事務所、学校、ビル内、食堂と色々ありますがこれらを入れると移動時間以外はほぼ室内と言えます。お父さんが家路の帰りに一杯居酒屋、ちょっくらダイヤル回しにパチンコとなればどうでしょうか?移動時間が2時間なら一日の内80%が室内で過ごす計算になります。

 

これだけ長時間室内にいるのです。その環境に影響されて当然と言えるでしょう。それで室内環境を良くするには一番は換気です。計画換気です。住宅では一時間0.5回換気と義務付けられています。ですから換気を心がけましょう。

次になるべく新建材などは使用しないことです。冒頭に上げた揮発性有機化合物VOCが入っている建材を使わない事です。ビルは大丈夫と思わないで下さい。何もシックハウスだけではありません。今はシックビルもあり、また車ではシックカー問題があるのです。例えば世界のトヨタは他の国産自動車メーカーに先駆けシックカー問題に取り組んでおります。ご存知でしたか?

 

新車に乗った時の強烈なニオイ、頭がガンガン痛くなる経験がありませんでしたか?、吐き気がする経験はなかったですか?あれは化学物質が原因です。

 

それでも勤め先は自分ではコントロールできませんね。タバコでも吸われれば尚更です。となるとあと出来る事と言えば自宅しかないではありませんか?そしてこの自宅こそ最後の砦となるのです。新築を建てる場合なら仕上げ建材はなるべく新建材を選ばず無垢の木を選ばれると良いでしょう。塗装品も自然塗料です。仕上げ以外の建材はコストの問題もありどうしようもない場合が多いです。

 

例えば何でも自然にこだわって煉瓦作りにしますか?また土壁をしようと考えますか?無垢の木の躯体は良いですが合板類などは一切使いませんか?出来ないことではありませんがちょっと難しいですね。

 

内部建具もちょっと高いですが無垢の建具で塗装なしか自然塗料仕上げがよろしいです。そして持ち込む家具にも気を使ってください。これだけすれば家の中の空気環境は別物です。全く別です。建売住宅をたまに覗くので分かりますが別世界です。是非新築を建てる場合はご検討下さい。

 

では、今住んでいる家はどうすれば良いのでしょうか?結局は同じことをするしかないのですが費用を見ていきながら相談して変えていくしか無い様に思えます。古い家はシックハウスになりにくいのを期待するしかないですね。

 

ですがホルムアルデヒドは20年経っても揮発している事実だけはお伝えしておきます。私の近所でも建売住宅の新築でお住いのご家族がいらっしゃいますが、お子さんがそれなりの数、体調不良を起こしてます。シックハウスでなければいいのにと思っているのですが・・・

 

 

 

 

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2011年3月7日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:建築技術

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