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住宅の耐震、免震、制震

本日2011年3月11日の宮城福島の大地震について

まず先に本日の午後2時46分におきました宮城福島の大地震で亡くなられた方のご冥福をお祈りします。また怪我をされた方、家をなくした方など気の毒としかいいようがありません。一刻も早く回復を祈るばかりです。 今日の地震の時、私は川越駅の最も混雑しているところで車の運転をしていたのですが最初揺れは気のせいかと思っていました。グラグラと揺れるのは大量に歩く歩道橋の人たちだと勘違いしていました。それが10秒、20秒と止みません。

やがて変だと思い、交差点の横断歩道を超えた所(渋滞で致し方なく)で周りの人たちの姿を拝見するとざわざわしているではありませんか、そして揺れがどんどん大きくなっていき電柱をみるとグラグラ揺れています。

本震でしょうか、右側のビルが大きく揺れ始めました。キャーキャーと女性の声が非常階段から数十名どっと慌てて駆け下りています。左を見ると店内から客がこれまたどっと出てきました。私は車内で慌てて靴の紐を固く締めました。

私の車の上空は歩道橋、右も左もビル群で交差点は人だかり、前方は信号付き踏み切りで動けず渋滞、これ以上揺れビルが倒壊したら確実にアウトだな。と思いながら前方の車が動き出すのを固唾を呑みながら待っていました。

あれから数十秒、まだ揺れています。

しばらくして前方が空いたので慌てて発信し踏み切りを通過しビル群と人だかりを抜けたので安心しましたが、余震は続きまだグラグラしています。

気が付くと手が震えているではありませんか、改めて自分が恐がりなのを認識した地震騒ぎでしたが、関東地区はまだ被害が少なくてよかったです。

 

建物の地震に対する対応

 

さて本題に入りましょう。皆さんの家は地震対策をしていますでしょうか?古い家は耐震基準が甘いので大きな地震には不安が付きまといます。これは個別にリフォームで家を強くするしかありません。地震で恐いのは火事と倒壊による圧死です。

まずこれを防がないといけません。火事はIHヒーターにする方法が一つ、ガスコンロの場合は揺れで消える物があればいいですがなければすぐに消す以外方法はありません。ファンヒーターは電気も含め揺れると自動で消えますので安全です。

調理中で揺れなど感じた場合はすぐに消化し油や鍋からできるだけ離れる必要があります。でないと2次災害の火事はすごく恐いです。

 

もう一つ地震で恐いのが建物の倒壊による圧死です。倒壊しなくても家具などで怪我をしますが倒壊が最も恐いです。すぐに死ぬ場合もありますが、生きていながら柱や屋根に挟まれながら死んで行くのはむごすぎます。

 

では、住宅の工法でこの地震に対する対応はどうしているかと言うと皆様ご存知の耐震です。そして免震です。

耐震は単純に躯体をがっちりと固め強い揺れに耐える構造にするという考え方です。つまり偏心をできるだけ小さくする事です。

次の免震は地震力を受けずにかわしてやわらげる方法をとるという考え方です。まさしく免れるです。ですがこの免震構造はコスト的に非常に高く、場所も必要です。建物が大きく50センチ以上振れるので隣地までの距離が必要になるのです。お金に余裕のある人しか建てる人はいません。

逆に耐震構造は強いですが、家具などの転倒で大怪我をするという話を聞きます。倒壊よりはましですが大怪我の可能性があるのは否定できないです。対策としてはしっかりと家具類を固定する事です。

そして昨今注目の第3の地震対策、それが「制震」という考え方です。一時免震ゴムの宣伝をテレビなどでしていましたが考え方はこうです。「地震力を吸収する」です。それはゴムを使うのか、油圧式のダンパーを使うのか、建物の全部を特殊なテープで包むのか、方法は色々ありますが考え方は同じです。

この制震は費用が比較的安く済むのも特長です。今地震対策をする一番のお勧め工法です。

 

地震は何度でも来るし、揺れの時間は長い

 

私は以前地震というものは揺れが大きいだけと漠然とした感覚を持っていました。経験が無いものですから、しかし以前何度か地震を経験さしてくれる施設で地震の経験をした事があります。

例えば関東大震災、あれはどれぐらいの時間揺れたと思いますか? なんと1分50秒です。2分弱、揺れの程度は埼玉で感じた揺れの数倍でしょうか?体は固定できません。左右前後上下と全く予測できない揺れが強烈に襲ってくるのです。

しかも時間が長い、揺れを経験しながら感じた事はこの揺れの繰り返しにはいくら耐震構造がしっかりしていても釘は緩み、ビスも緩む、そうすれば倒壊だなと

そうなのです、以前金属疲労で航空機の事故がおきましたね。あれと同じ事が住宅にも言えるのです。ギコギコガタガタグラグラと柱と梁にきしみ音が繰り返し聞こえ、激しく揺れが繰り返す内にポッキリと音が鳴り折れるんだなと、そう思える揺れなのです。

新潟の地震だったかな、阪神淡路大震災もその時シュミレーションの機械で経験しました。今回の地震は揺れこそ小さいですが、時間的な長さは匹敵するのではないでしょうか?現に今夜の8時ですが余震が繰り返しあります。地震発生時の夕方は4時ごろまで頻繁に余震がありました。

新築で建てたとしても解体まで100年としましょう。耐震力があっても100年の内に地震は一回で済むはずがありません。何度もあるでしょう。そして壁の中の釘やビスは締めなおす事が容易ではありません。

ここで地震力を吸収する制震の機械が生きてくるのです。制震だと揺れを吸収するので釘やビスの保持力が落ちにくくなります。結果建物の地震に対する対応力はあまり落ちずいつまでも安心して生活が出来るのです。

 

また倒壊をせずとも大きな地震で開口部、つまり窓が変形しガラスが割れたとしましょう。この場合補修するコストは安くありません。倒壊していないのに下手をすると保険があまり適用されず膨大な費用がかかり、地震保険に入り倒壊してもらった方が良かったなどという事にもなるのです。

 

しかし揺れを吸収する制震工法なら開口部の破損も小さく出来、リスクを回避できる可能性があります。これから家を建てる人は保険をかけるつもりで制震構造にしてみては如何でしょうか?もちろんお金に余裕がある人は免震の選択をして下さい。免震の方が地震力に対して有効なのは言うまでもありません。

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2011年3月11日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:夢空館blog

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