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家相はあるか?風水は?正しいの?

そもそも家相は本家中国にはない

お客様の中で家相を気になさる方がいらっしゃいます。別に悪い事ではありませんが、行過ぎるととんでもない間取りが参上したりします。今までで数人こだわりすぎてたしなめた人もおります。 別の方は家相にこだわりすぎてはダメという言葉を聞き入れてもらえず去ったお客様もいらっしゃいます。


その方の家の2階はホールが斜めに走り広く合計で8帖ぐらいありました。そして主寝室が4.5帖、子供部屋が3帖になっていたのです。トイレも使い勝手が悪く、家相を重視するあまり家本来の機能を全く無視した間取りを持ってこられました。これについて長く話を聞き、アドバイスをしたつもりでしたが、そのアドバイスが気に入らなかったのかは知りませんが、連絡がつかなくなりました。


注文住宅と言えども家づくりに関してはやはり助言をしなければならない立場だと考えています。お客様はそれぞれ色々な建築条件をお持ちです。それは法令に関する事から住宅ローン関係、不動産関係、お客様ご自身の要望などです。これらを一つ一つ検討して家づくりを行なってゆくものなのです。


それで家相ですが、家相にのっとり設計をして家を建てたとします。それで家相どおりの幸せな生活が待っているのでしょうか?あるいは家相が悪いからといって不幸が続くのでしょうか?結論からいってそんな影響はないとするのが正しい姿勢なのではないでしょうか?


だからといって全く家相を無視するつもりはありません。どういう事かと言いますと鬼門、裏鬼門などを信じてそれだけは避けてくれというご要望に関してはご要望どおりお応え致します。あるいは水周りをここに配置して欲しいなどはお聞きいたします。なぜならそれでお客様が安心するからです。お客様が精神的に安心するなら何も問題はありません。このような感じで家相とは付き合っております。

では、そもそも家相というのが存在し、それが個人の健康や人生の運、あるいは家族の健康や人生に影響を与えるのでしょうか?まず「鬼門」「裏鬼門」から話しましょう。

鬼門の鬼という漢字ですが、確かに鬼という漢字がありますので何か悪い者がいそうなイメージがありますが、「鬼」の漢字はもともと死人の魂という程度であって特別恐がる対象ではありません。漢字として死者の魂の状態を表したに過ぎないのです。

ちなみに鬼門の方位は北東で丑寅です。また裏鬼門は南西で未申の方位です。

そして家相は中国の陰陽五行哲学から発生したものですが、肝心の中国には家相は存在しません。日本だけです。中国には陽宅風水という北に山、東に川、南に開けた土地など環境を論じているのであって個別の家の家相は論じていません。

もし家相があるなら家相を検討しない海外の家づくりはどうなるのでしょうか?アメリカの家など水周りは家の中心にたくさんあります。また鬼門など関係ありません。家相を気になさる方は家相に振り回されているのだと思います。何かの現象を家相に関連付けているだけなのです。



家相を信じてらっしゃる方からはお叱りの言葉を受けそうですが、家相が存在するなら全人類に共通しなければなりません。しかし先ほども申し上げたようにアメリカの間取りは水周りが家の中心でキッチンが中心です。回遊式のリビングなのです。


またモンゴルのゲルはどうでしょうか? ゲルは円形の住居です。アフリカの住居など蟻の巣のように個別の部屋が繋がっている住居もあり、また玄関にしてもマンションやアパートなど共同で一つという場合もあります。


家相風水はようするに、昔は現代のように科学が発達していなかったので冷蔵庫がありません。

だから西日を避ける意味でキッチンは西が良くない、窓の位置も玄関から真っ直ぐだと風が蛇行せず部屋の空気がよどみ換気が充分ではないから開口部を一直線にしない、または現代と違い排水設備、下水道設備が充分でない上に北は太陽光が届きにくく、水周りを持ってくると不都合が生じやすいから北側に水周りが良くない等と経験からくる知恵が伝わっているだけなのです。

これが家相だと言えばそれまでですが・・・


重ねますが現代では下水道設備、浄化槽設備、配管設備の技術、冷蔵庫などの電化製品の存在、トラップを備えた水周り商品、サッシの高性能化、現代建築の技術向上、社会全体行き渡った衛生空間の実現により昔では当たり前だった悪条件はありません。よって昔の人の経験は当てはまらなくなってしまいました。


ですが、家の基本は採光と通風です。

これは現代も基本原則変わりません。

いくら高気密・高断熱住宅でも通風は大事です。内部は機械換気で問題がなくても外部は隣地ブロックなどで隙間が狭いと空気が敷地内で澱むからです。またせっかく国の基準で定めた24時間機械換気を節電という気持ちでスイッチを切ってしまいます。

これでは通風を確保しているとは思えません。ですから機械換気は夜寝ている間スイッチを入れ、昼間は留守以外窓を開けて空気の入れ替えをするのがいいのです。但し高気密・高断熱住宅にお住いで寒い冬と暑い夏は窓は開けない方がいいでしょう。24時間機械換気で過ごしてください。せっかくの快適な空間が損なわれるからです。

それで家相について本当はもっと専門的に話せるのですが、詳しく話すとビルダーのホームページではなくなってしまいますので家相については簡単に結論を言ってしまいますと(信じている人には申し訳ありませんが)


家相により人の人生は影響されない、もしされるなら家相が人を作ることになります。よってあり得ません。 しかし昔の人が言った経験則はある程度家づくりに生かされるべきです。それでいて先ほど申し上げた現代の家づくりの原則は踏まえねばなりません。ですが、家相の考えを取り入れることによって施主が精神的に安心するなら家相は限度はありますが、可です。


最後に家相に振り回されたあるご夫婦の例を挙げましょう。この夫婦は家相だけに限らず土地の選択、購入時期、移転先まで全て占い師の指導の元に行動されていました。そして私が探し始めて非常に条件のいい土地が見つかったのです。しかし日本は法治国家ですから土地購入の時には様々な手続きが必要な場合もあります。それにより契約時期が占い師の言った時期よりずれる事が判明し、せっかく気に入った、条件の合うこの土地の契約をあきらめたのです。まずこれが最初です。


この時点ではお客様はまだまだ土地が見つかると思ったのでしょう。探し始めてそれ程物件を見ていなかったものですから。


そして次の土地は方位が悪いといい、なかなか決まりませんでした。既に間取りもある程度決まっていまして、その間取りがはまる土地を探さねばなりませんでした。それでようやく土地をお客様ご自身で探され、いよいよ土地の契約だという時に相手業者からやはり売れないなどと断られた事もありました。他の不動産屋さんでも探していましたがなかなか土地が見つかりませんでした。それで最初の土地が良かったのにと言われます。


私は風水・家相はある程度にして、常識的に行動しましょうとアドバイス致しましたが聞いてもらえず結局この夫婦は家の購入を断念してしまいました。この後ホームページでは言えない後日談があるのですが、家相にこのように振り回されてしまってはいけないです。

風水、気学や家相などは活用するぐらいで丁度良いのです。

決して振り回されるような事があってはいけません。ほどほどにしましょう。

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2011年8月6日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:夢空館blog

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