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注文建築施工例|東京都八王子市

 

まるで山小屋のようないでたちです。外観写真をご覧の通り、外壁には杉板を採用しています。お客様こだわりの外壁です。家づくりには予算がありその予算内にどれだけの要望を詰め込めるか、これは注文建築を希望する施主全てに共通する思いではないでしょうか?

 

その思いとは裏腹に建材が高かったり、施工費が高かったり、副資材などの過分な費用がかかったりと予算の予定をオーバーしてしまい、とても予算内で納まりきれない事があるものです。 施主はそのフラストレーションと現実との間で妥協点と改善点を信頼した工務店と相談をしながら二人三脚で家づくりをするのです。

 

ですからその計画段階からの打ち合わせは敷地への建物配置、細かい点を述べますと玄関へのアプローチから日当たり、車の配置、自転車の配置など、また隣地への影響と建物全体の通風と採光です。

 

そして間取りでは、住まい方からくる家の性能の決定、ご家族の要望と使い勝手などでしょうか?無論予算が大前提となりますので大きさは法規内に納まるよう計画せねばなりません。それと施主の見えない要望まで勘案した上で工務店は助言を行い、一つ一つ決定項目を埋めて計画しいざ着工となるのです。

 

とりあえず外観写真をみてみましょうか

 

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このお客様の家は外壁が杉板ですが、この南京張りに使う杉板の予算がオーバーしてしまいました。何とか安くて良い杉板がないものかと材料屋さんや大工さん、インターネットなどを探したのですがなかなかありませんでした。お客様も一生懸命これはどうでしょうか等とご自身でお調べになって連絡を頂いたものです。 しかしなかなか予算に合う材料は見つからない時にある設計士の本から秋田の材木屋さんを紹介して頂けました。

 

この材木屋さんの杉板は赤みが強く、白太部分が少ない、それでいて価格も安いという優れた材木屋さんでした。昨年のジャパンホームショーで出展すると聞いたのでビッグサイトで直接会い、交流を交わしました。東北の方なので当然東北訛りですが朴訥な感じを受け、好感の持てる方でした。 今後もお付き合いをしていきたい方の出会いを杉板探しで繋がったのです。それはさておき外部で使う木は白太部分は少ない方が良いのです。 それは白太は辺材といいたんぱく質が多いので虫害が多いのです。また腐りやすく強度も落ち含水率も高いのが特徴です。よってなるべく避けた方が良いのです。

 

この家で使用した杉板は先ほど申し上げた通り、逆に赤みが強くかなり多いです。 この材木屋さんに出会う前に見本を他社で何度か取り寄せましたが安い材料は間違いなく白太部分が多く、値段なりという印象を受けました。 この下見板で随分予算を圧縮できました。そしてお客様が要望する外観が出来上がったのです。 ちなみにペンキはウッドロングエコというこれまた聞いた事がない商品をお客様は要望されその塗料を採用しました。

 

ウッドロングエコは天然成分で作られた木の保護剤で腐朽菌を抑制します。そして塗りなおしの必要もない優れた塗料です。また塗装するのが簡単で誰でも出来ますし塗料による水質汚染や土壌汚染もないという「まさにガスだね!」いや「エコだね」という商品になっています。詳細はリンクをしますのでそこで見てください。 ウッドロングエコ紹介サイト

 

張り終えた外観の見た目では南京下見板の特徴が良く出ています。写真を見てのとおり日の当たる場所は陰影がはっきりしております。この陰影が特徴でこの張り方は日本だけでなく、アメリカやドイツなどのヨーロッパでも見受けられます。次はこの下見板で作った郵便ポストを見てみましょう。

 

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良く出来ています。この郵便ポスト、別名鬼太郎ポストと職人さんの関係者では呼び合っていたのですが手作りで仕上げました。郵便物はどこから取るのか? 家の中、玄関内から取ります。 内側に高気密・高断熱用のサッシが付いており開閉式になっています。そのサッシが郵便物を取りやすいような位置に設けておりサッシを開閉するだけで郵便物を受け取れるようになっているのです。郵便物は口金なしのところから入れますが、しっかりある程度の大きさの郵便物が入るよう設計されております。

 

また上部に板金を設けてコーキングもしっかりしており、内部は水が溜まっても郵便物が濡れないよう配慮した構造を備えました。手間をかけた分、良い出来となりました。監督さん、大工さん、ご苦労様でした。

 

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洗面台は当社得意のサンワカンパニーからお客様が施主支給を致しました。 その周りにあるモザイクタイル、床のタイルもそうです。また右写真はキッチン横の壁ですが、このタイルも水切り棚も同様施主支給です。 本来なら施主支給は会社側にとっては気を使う仕事内容であり、利益も減る事柄なのであまり同業他社さんでは認め難い商売方法なのですが、当社はお客様がそれで喜んで頂けるならと工務店の集まりでBeハウスの会員でもあるので大いに推奨する事にしました。

 

 

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一階リビングの写真です。 上段左の階段があります。この階段6段上がったところが玄関になります。え、と思う方は注意して外観写真に戻ってください。 ん、何か玄関ドアの位置がおかしいなと気付くはずです。またその下の玄関写真をみるとアプローチがウッドデッキになっています。通常は敷地からのポーチタイルが多いですね。 外部写真を更に良く見ると駐車スペースからウッドデッキに繋がり玄関があります。ですが位置が高いです。

 

お察しのとおりこの家の敷地は道路より1.4mほど下がっているのです。 間取りを計画する時、私が最初から付いている階段を利用して敷地よりのアプローチを提案してみましたが、お客様のほうでこの高さが家が計画できないか?との問い掛けがあり、いや、簡単ですよとこたえてこのような間取りになりました。間取り自体は確かお客様がある程度考え、そこに私が助言をして設計したと思います。

 

という事でこの家の玄関からリビングへのアプローチは階段を6段下がったところになるのです。二階へのアプローチは玄関より見えない位置にある階段を使い2階へ上がります。察しの付く方ならお分かりでしょうが階段横の折れ戸は階段下収納になっております。

 

床は全て無垢フロアー、天井もパインの羽目板で仕上げました。壁はドライウォールでペンキ仕上げと極めて健康的な建材を多用しています。無論建具も無垢材です。外部サッシは全窓YKKのAPW、このサッシはオール樹脂でガラスはLOw-E複層ガラスを採用しました。

 

塗装も自然塗料で計画換気も24時間熱交換式第1種換気、オール電化住宅で長期優良住宅フラット35S20の仕様です。実際壁の断熱は2×6壁の140mmを目一杯断熱材を注入していますのでかなりの断熱効果が望めます。エコでハイスペック、そして健康志向住宅と大手ハウスメーカーでは絶対に実現できない価格でお客様に提案させて頂きました。ちょっと宣伝になりましたね。次ぎいきましょう。

 

下段右下は吹き抜けの写真です。天井の仕上げ材が何やら見たことがない仕上げ材ですね、これ実は一般的な仕上げ材ではなくラワン合板を張っただけです。あり得ないと思う方もいらっしゃるでしょうが、これはありです。大いにありです。お客様の要望なのですが当初お客様より要望を聞いたときは何遍も確認しました。本当にいいですかと

 

ですが東京は港区にある旧カニングハム邸、ここの家の天井・壁の仕上げはこの合板で仕上げているのです。カニングハム邸は古く1953年に建てられた家で設計はアントニン・レーモンドという建築家です。レーモンド建築と聞けばご存知の方もいらっしゃると思います。その作品は多く東京女子大学礼拝堂からイラン大使館から不二家まで手掛けています。また私の手元にある丸善出版社のコンパクト建築設計資料集成「住居」偏にもカニングハム邸が紹介されています。

 

他にもあるので見てください。リンクを張ります。

http://amshome.blogzine.jp/yosikun/2008/12/

http://www.jyuutaku.jp/2011/01/post_731.html

http://sia-note.jugem.jp/?eid=294

 

と、ここを訪れたお客様が仕上げの雰囲気を気に入り、取り入れたいとの事だったので仕上げ材として使う事にしました。仕上がりを見て思ったことは経年による変化を楽しめる素材である事に間違いはないと思わせる仕上がりでした。

 

今ではこの家港区の文化施設になっていて音楽家がここで演奏しているみたいです。ユーチューブにもあるのでリンクを張っておきます。 「月の光」ドビュッシー    雲よ風よ空よ

 

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玄関写真です。ここの玄関は段差がありません、上がり框がないのです。今まで何軒かこのような段差のない玄関を作りました。このような玄関は車椅子生活者や高齢者がいる家庭にはいいのです。では、靴を履くときはどうすればよいか、簡単です。イスを用意するだけでいいのです。腰掛イスを用意して足腰の弱い方はイスに腰を掛けて靴を履けば事足りるのです。

 

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航海船のようなデザイン照明、お客様が用意された照明で、おそらくマリンランプでしょう。詳しく聞いていないので間違いかも知れませんが・・・

 

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この家では、クロスを一枚も張っておりません。壁の仕上げは全てドライウォールで下地を作り、ペンキ仕上げとなっています。よく壁はドライウォールといいますが、正確にはドライウォールは下地処理の事で、仕上げは別になります。本格的なドライウォールは石膏ボードの継ぎ目にテープを入れ、パテで仕上げるのですが、その壁が割れないように作るだけでなく壁の入り隅までテープを入れ、壁の耐力の向上を計るのが狙いなのです。

 

また壁の隙間が無くなるので室内からの防火にも役立ちます。もちろん室内の気密化にもなります。このドライウォールという仕事はクロス屋さんが壁の下地処理としてパテを打つ工程とほぼ同じですが、「似て非なるもの」 として認識しておいて下さい。この家では廻り縁がありますが、廻り縁が無い仕上げの時はバズーカという道具を使い、壁と天井の90度の隙間までテーピングをしてパテ処理をします。そしてパテ処理に使うパテですがアメリカ製のパテを使います。このパテは日本で売っている硬化剤が入っていないので極めて健康的です。100%自然素材で出来ていて余計なものは入っていません。ですから安心して下地処理ができるお勧めの下地処理方法です。

 

ドライウォールの会社のリンクをしましょう。参考にして下さい。 リンク

 

写真では天井付近の壁とインターホンの写真しか写っていませんが、壁を写しても壁が何かまでわかりにくいのであえてドライウォールの仕事が分かりやすい写真にしました。

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2011年9月25日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:夢空館blog

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