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改めて考える冬の寒さ対策|フラット35Sエコについて

フラット35Sエコ登場

 

いくら地球温暖化といえど冬はやはり寒い。灯油が高くなったとはいえ暖房機器がないと冬の寒さはしのげない。部屋を暖めるが使っていない部屋、廊下、トイレ、洗面所や風呂は寒い。一般的な住宅の冬の状態である。 そして空気が乾燥するので加湿器を炊いて乾燥状態を緩和させます。確かに冬の寒さ対策にはこうするしかないのだが、これから家を新築する人はこれでは不十分だ。一昔前のパソコンや車を買わないように住宅もより高い性能を持つ家を購入すべきである。

何度も取り上げていますが住宅の気密・断熱レベル、これを上げるだけで大幅に家の快適性が増します。既に始まっている「フラット35Sエコ」はご存知でしょうか? 前回までの金利優遇とは違うだけでなく、技術基準が変わりました。断熱性に重きを置いています。前回のフラットはフラット35とフラット35Sでした。ちょっと詳しく見ますと

 

フラット35は必須技術基準としまして

 

  • 住宅の耐久性・維持管理に関する基準 【劣化対策等級2】
  • 住宅の断熱構造化に関する基準 【省エネルギー対策等級2】
  • 接道・住宅の規模・規格・戸建型式・区画などに関する基準

これらの中で3番目の接道・住宅の規模云々は別に知らなくて構いません。そしてその二つ上はまあ、感覚的にある程度の断熱レベルという認識で充分です。維持管理にしましても特に難しい事ではありません。

以上のような基準をまず満たすとフラット35を利用できます。しかしこれだけだと35年の固定金利は利用できても金利優遇は受けられません。金利優遇を受けられるには「既に終了しましたが」フラット35Sの仕様にしないといけなかったのです。ではフラット35Sの仕様とはどんなものでしょうか?

 

上記の必須技術基準に選択技術基準として

 

 

リンク先は条件である技術基準を分かりやすく説明をした内容になっていますので知りたい方はクリックしてください。

 

上記の四つのテーマのどれか一つを満たせば金利優遇が受けられたのです。どれくらいの金利優遇かといいますと当初から10年間は基準金利の1%の優遇です。この他20年タイプとしてフラット35S20がありましたが、既にこれらの金利優遇は終わっていますので新しく登場した「フラット35Sエコ」を少し紹介しましょう。

 

これは冒頭に上げた寒さ対策に関連がありまして、このエコタイプは前提として省エネルギー性に優れた住宅でないと金利優遇は受けられません。金利優遇タイプは2種類ありまして、AタイプとBタイプがあります。

 

Bタイプの場合、

優遇金利は被災地で当初5年1.0%
被災地以外で当初5年0.7%です。
6年目以降0.3%が10年目まで優遇期間です。

 

この10年目まではエコのBプランで、20年目まで優遇期間があるAプランは引き下げ金利0.3%が6年目より20年目まで続きます。その条件はフラット35Sエコの前提条件である省エネルギー性プラスアルファが一つ必要です。では、そのプラスアルファは何かといいますと上記に挙げたフラット35Sの四つのテーマです。ただこの四つのテーマの省エネルギー基準は既に前提条件となっていますのでここの部分はいわゆる省エネルギー性のトップランナー基準が必要となります。

トップランナー基準とは分りやすく言えば省エネルギー性の4等級にプラスアルファとして

 

高効率の給湯設備や高効率の冷暖房機械の設置、換気設備が熱交換式、後は太陽光発電を併設している事でトップランナー基準に該当します。これ全て備えなくてもよいですね。エネルギーを確か10%削減できればトップランナー基準に該当する条件だと思います。

 

いずれにしましても以前のフラットの金利優遇より被災地以外の方は少ないですね。でも何だ、0.3%だけだから大いに利用しようではないかと考えてしまうかも知れませんね。ですが、今回私が申し上げたいのはどうして「フラット35エコ」なるものが登場したのか、という事です。別に金利優遇を引き下げぐらいなら新しく誕生させる事も無いのではという単純な思考ではないですよと言いたいのです。

 

この四つのテーマはそれぞれテーマは違えど大して変わらない技術基準でしょうと考えてしまうかも知れませんが、実は上記の四つのテーマで一番お金のかかる技術基準は省エネルギー性なのです。住宅を建てる立場から説明いたしますとまずフラットの金利優遇を受けたいと考えたとします。

 

その条件は四つのテーマの一つを満たせばよいという内容でした。建てる側からすると一番お金がかかる工事、一番お金がかからない工事と考えるわけです。特に施主が要望しない限り、あるいは建売でも販売目的から考える少しでも安く販売したいと考えるならお金のかからない方法を選択するでしょう。何故なら最終的に払うお金が少なくなるからです。コストがかからない、あるいは少ないという事は安く物を買っているという事ですから、当然金利優遇分安くなりますよね。

 

そして販売の売り文句にはフラット35Sが使えます。金利優遇は今申込なら1%の引き下げ金利が10年間ですと

 

こう謳えば買う側の気持ちからすればお得感がありますから売りやすくなります。注文住宅販売も同じで一番お金をかけなくて金利優遇を受けられるなら購買意欲も増し、販売もしやすくなります。どれぐらい違うか簡単に説明しますとまず基準の建物で断熱気密レベルが普通としましょう。建売レベルあるいはローコストメーカーレベルの高断熱ではない住宅です。

 

【劣化対策等級3】かつ【維持管理対策等級2】
【省エネルギー対策等級4】
【耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2】又は免震建築物
【高齢者等配慮対策等級4】

 

上記の四つで耐震性は免震はとてもお金がかかる工法です。耐震性も等級2は阪神淡路大震災の1.25倍の強さです。これは構造に少しお金がかかる場合もあります。簡単な構造計算も必要なので設計量も多少かかる可能性あります。

 

省エネルギー性は断熱材を大幅に増やさないといけませんし、何よりサッシの高性能化が求められここにお金がかかります。つまり性能の低い家を販売している会社はこの部分でかなり費用がかさむと考えるでしょう。

では、高齢者等配慮などのバリアフリー性はどうでしょうか?これは間取りの制限があるだけでなく、手摺の設置も出てきます。手摺費用と設計の制限、設計の制限は現場での工事のミスに意外と繋がりやすく(段差の制限や階段の制限など普段気付かない細かい制限の為)建てる側すれば面倒なのです。

そして最後の維持管理対策ですが、これが実は一番お金がかからなくできるのです。お金がかかるのは水道の配管部分で技術基準は専用配管をコンクリートに埋め込まないが条件となります。普通は水道の配水管をスリーブするだけです。これだと設計の制限もありませんし、面倒さもありません。

 

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ですが、これでも通常の配管処理と違い専用スリーブのお金がかかります。ですから建売業者さん、あるいは一部のハウスメーカーさんは格好悪いのも気にせずスリーブ管を使わず、何と基礎の立ち上がり部分に穴を開けて配管をしています。外から見ると立ち上がりの基礎からニュッと4本くらい灰色の配管が出ているのです。最初見たとき、何だコリャ、施工ミスかと思いましたが、大手の業者が何件もそんな施工ミスをするはずもなく、考え推測した結果、フラットの対策かという事に気付きました。

 

後でその配管理由を聞くとやはりフラット35Sの対策でした。これだとさらにお金がかかりません。というより全く技術基準の部分でお金をかけずに金利優遇が受けられたのです。おそらく住宅行政のお役人たちも気付かなかったのかもしれません。よい住宅を普及促進するための金利優遇措置なのに肝心の省エネにお金をかけず、お金のかからない部分での申し込みが圧倒的に多かったと推測できます。

 

そこで今回のフラット35エコが登場したと思います。政府の打ち出す住宅政策は基本省エネ住宅です。長期優良住宅です。優良住宅を日本にストックする政策です。ですが、この家の性能はお金がかかります。ですからフラットの金利優遇商品を作り市場の活性化を図っているのですが、現実問題、市場は冷え込み、長いデフレ経済、年々所得が落ち込み続けている日本で高性能住宅を買える条件の揃った人は少ないのが現状です。

 

ですから市場では実をとり続けるのです。これが現実でしょう。逆にこのフラット35Sエコで前提条件が工事に最もお金のかかる断熱ですから申込自体減ると私は推測しています。金利優遇も小さくなりましたし、他の金融機関が有利な住宅ローンの商品を出せば市場はそっちへ流れるでしょうね。関東の都市部で土地は何故30坪前後に切るのか?この理屈を本当に理解しないと住宅行政は空振りに終わるでしょう。

 

寒い冬の対策はどうするか

 

さてフラット35Sエコでもあるように住宅は高気密高断熱住宅が望ましいのは先進国では当たり前になっています。それは冷暖房負荷が単純に小さくすむからです。そして快適だからです。老若男女誰も不快を望まないように人は常に楽を求め、合理化を求め、快適を求めます。これがあるから発展があるのですが、今の家は寒くてどうしようもない場合の対策はあるのでしょうか?

 

たくさんお金のある人は高性能住宅への建て替えです、次にお金のある人は断熱改修工事です。それも出来ない人は内窓の設置です。 これならエコポイントも出るし負担も小さいです。この内窓の断熱効果は意外に大きく、設置された方のみが実感されております。

 

住宅でどの部分が一番熱損失が大きいかというとダントツでサッシ部分でおよそ6割がこのサッシ部分から熱が損失されております。これは窓を開けていない場合ですよ。次に躯体部分で2割です。そして換気で1割とおおよそですがこのように言われております。このサッシの6割部分を大幅に改善できる内窓は費用対効果は高いです。

 

では、この内窓工事も出来ない人はどうすればよいか、まずカーテンを工夫してみては如何でしょうか?元々カーテンはこの断熱の意味があるのです。腰窓がありますよね、腰窓です。床までガラスがある掃き出しサッシではなく、腰の高さまでの窓です。ここのカーテンはどのようにされてますか?

 

おそらく腰窓より少し下に垂れるまでの長さでカーテンを掛けているはずです。これを床までびっしりと左右の隙間が空かないような工夫をして下さい。冷気が少しは防げるはずです。あとはガラスに張る断熱シートの類です。少しは役に立ちます。

 

次に床は困りましたね。やはり電気カーペット、コタツしか思い浮かびません。この場合服装は注意して厚着するしかないです。少しでも電気代・灯油代を浮かすために厚着は必要です。寝る時は靴下を履いて、パジャマはフリース生地です。

 

これはかなり暖かいですよ。夜目覚める事が大分少なくなります。今は昔ながらの断熱材の薄い住宅の対応ですが、子供部屋などやはり個別暖房になりますね。灯油のファンヒーターが大活躍です。冬の寒い時期は12月中旬ぐらいから冷え込みが始まり2月中旬ぐらいまできついです。この間の3ヶ月をどう過ごすかですね。では。

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2011年12月11日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:夢空館blog

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