イメージ画像

サッシ防火基準不足問題のその後|トステム・YKK

サッシ防火基準不足問題は全然解決していないらしい

 

以前このブログで、震災前の2月22日に「トステム防火基準不足と木の家促進事業補助金」と題して投稿をした。内容は木の家促進事業補助金の手続きの面倒さ、大変さとトステムの防火基準不足問題です。


ご存じない方に簡単に説明しますが、トステムにはシンフォニーという商品があります。シンフォニーは住宅の窓の商品名で断熱性能を上げる為に外側の外壁側の枠はアルミで出来ており部屋側の枠材は樹脂で出来ている断熱サッシの事であります。このサッシにすると室内の断熱性能はグンと上がります。さらに窓ガラスもペアガラスでLow-E加工されたものを採用し、アルゴンガスなど封入したものを使用しますと、一般のサッシと比べ物にならないぐらい断熱効果が上がるというサッシだ。


このようなサッシは別にトステムだけでなく各メーカー用意しております。YKKならエピソードという商品です。


それで今年2月の新聞にこのシンフォニーのサッシが防火地域に用いられる準防サッシとしての国が定めた防火基準に大幅に満たない事実が記事として掲載されたのです。青天の霹靂とはこの事でトステムだけでなくサッシ製造関係者はさぞかしビックリした事でしょう。


防火基準に満たないとは要するに住宅地においては、火事は恐い、延焼は恐い、そしてガラスは熱で飛散します。ついでに火に長い間さらされると火は室内に侵入し、2次災害に至ります。延焼が延焼を呼び、それこそ被害が拡大する一方です。


だからサッシのガラスは網入りにしなければならない。サッシの枠は枠で20分程度の火にさらされてもガラスが脱落しないという性能が求められているのです。


脱落させいない方法としてそれ相応の火に強い、ガラスが脱落しにくい部品が必要になります。この部品の事を乙防部品と呼び、準防火地域に使用されるサッシ全てにこの乙防部品が採用されております。乙防とは乙種防火戸の略で建築基準法で定められているサッシの事です。


火の延焼を守る方法として他に防火シャッターをサッシの外側に設ける方法もあります。この場合はサッシを普通のサッシで使用しても問題はない訳です。ガラスも同じで網入りが嫌だと言う人もいます。この場合は防火シャッターを採用すればガラスも普通のガラスでOKです。


そして問題になったのはシンフォニーのサッシが燃焼試験において基準の20分以内にガラスが脱落してしまったのです。では、なぜ脱落したのか、それは先ほど説明したサッシのガラスを枠から脱落させない為の乙防部品、この部分が脆かったのです。


当然脱落した原因を手繰ります。そして乙防部品が弱かったからとなったのです。それで前回の報告ではトステムのシンフォニーだけに限らず、しかも引き違い窓だけでなく、全種類、各メーカー調べるようにと国土交通省は指示したのです。前回では各メーカーの外枠がアルミ製、中の枠が樹脂製のサッシのみという事でアルミ製のサッシは問題ないとの事でした。


準防地区にある全てのサッシにまで影響が及んでいる

 

私自身、あの問題は東北の震災前で、その後地震・津波・原発と日本は国難に陥りましたので私はこの問題、今回の地震でうやむやになるんちゃうやろかと勝手に思ってましたが状況は違っていて、サッシメーカーが事後報告として今の状況を教えてくれた。実際はシンフォニーやエピソードだけの問題だけではなくなって来ているのでありますと。


サッシ関係者の人が言うには実は準防火地区のアルミのサッシもダメだろうとの事でした。それは先ほどの乙防部品、これはアルミ製のサッシでも全く同じものを使い、準防サッシを作っているらしいのです。 アルミサッシはあの時大丈夫と聞いた覚えがあったのだが・・・


外側枠がアルミ、中の枠が樹脂というサッシは最近でこそ多少流通するようになりましたが、この種類のサッシであればまだ流通が少ないので被害も1万棟ぐらいと聞いておったのですが、それがアルミサッシ、各メーカー全部となるともう誰もどうしようもありません。今建築中の家だけではないのです。

また昨年だけの話でもなく、この準防火地区が都市計画で定めれれた時、そして今の防火基準が定めれた時、そして特に今の準防火サッシが作られて建築された時から全ての準防火地区に建てられた家全部という事になります。


もうどうしようもありません、現に今建築中の家が引渡が出来ていないらしく、サッシメーカーはてんやわんやの大騒ぎとの事、これがアルミサッシもダメでしたでは、救いようがありません。国が何とか特別立法して救済するしかないと思っています。


私は質問しました。国が防火の基準を緩めればいいじゃないかと、ですがその動きはないらしく準防火の基準はどうやら変わらないそうです。サッシの基準もです。という事で今メーカーは新しい準防火サッシの開発をしているらしいとのです。これは各メーカーでしょう。


ですが、簡単に行くでしょうか?一応サッシ関係者はこの夏、いや秋頃には発売できると言っていましたが、仮に秋に出来たとして・・・今準防火地区に建築を計画している人は下手をすると建築確認が取れないでしょうね。


長期優良など、性能表示ではサッシはどんな物を使うかとカタログや性能表を添付資料として要求してきます。建築確認も準防火地区だとどんなサッシを使うか聞いてくるかもしれません。すると現行のサッシだとダメなのですから、その新しい準防サッシが発売されるまで許認可関係が取れない可能性があるかもしれません。


アルミサッシ全部にこの問題が及ぶとは思いもしませんでした。まだ見た限りでは大きく報道されている事もないようです。建築関係者でもこの問題が大きくなりつつあるという事を知っている人は少ないかも知れません。


都市部の準防火地区に住んでいる人は建築がしづらくなりました。そして今準防火地区に住んでいる人はサッシ自体違法のサッシとなってしまいました。(防火シャッターを付けていれば別ですが、小窓まで付けている人はいないでしょう。)


この問題は数が多すぎる為、そして現時点で火事による死者、それも準防サッシが原因云々という話もありません。ですので早期になにかしらの救済措置を取れば問題は収束すると思います。特別措置で一気に解決しましょう。

このエントリーを含むはてなブックマーク Buzzurlにブックマーク livedoorクリップ Yahoo!ブックマークに登録

タグ

2011年7月15日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:夢空館blog

トラックバック&コメント

この投稿のトラックバックURL:

コメントをどうぞ

このページの先頭へ