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東日本大震災で液状化現象による土地の値段

液状化現象に伴う土地の価格と問題

先日土地の決済を行なった。土地の決済は売主、買主、司法書士、仲介なら仲介業者が一同に集まり決済場所、例えば銀行なら銀行内のオフィスで行なわれる。決済は売買契約で手付金以外の残金の授受の場である。そこで買主は銀行の振出伝票に残金額を記入し売主に振り込みが行なわれるのであるが、この振込みが完了するまでの間、少々時間がかかるのである。短くて15分、長くて30分かかる場合もある。



この間、殆どの作業が完了しているので皆一様にホッとして安心している時間帯である。ゆえにその場の空気を和ませる為に私などは「今日は天気がいいですね、とか世間を騒がしているニュースやスポーツと皆が話できる共通の話題を持ち出し、手続きが完了する時間帯をやり過ごすのである。


売主・買主の当事者なら「どんな家を建てるのですか」から赤ちゃんがいるならその話題とかですが、今回はやはり地震・原発でした。その中で今浦安の土地はかなり安くなっていると話題を司法書士か誰かが口にしました。そして埼玉や東京都下の三多摩地区は地盤が固いので人気が出てきたとの事。


これは最近ニュースで報道されていた内容です。


確に私も報道で知りました。特に浦安の液状化が酷いと、写真を一部載せましょう。日経BP社より写真を転載させて頂きます。



シルト状の噴砂が市街地を覆った(写真:日経BP社)


マンホールや浄化槽など軽量の埋設物が浮かび上がる(写真:日経BP社)


左:地盤が沈み込み建物などとの間に段差ができる 右:地盤が波打ちひび割れが入る(写真:日経BP社)

百聞は一見に如かず、浦安の全てではありませんが、まず埼玉西部地区では見かけません。では、このような状態の土地は誰が購入するでしょうか?実際浦安の不動産関係者は売れなくて話にならないみたいです。プレジデントロイヤーによると浦安市内の土地価格は3割から4割の下落みたいです。さらに読売オンラインから


この浦安の状態を見て、土地の価値が下落すると聞いて、今後誰が液状化する可能性の高い土地を購入するでしょうか?小学生でもわかる内容の問題です。今後この震災により全国的に液状化による土地の下落の情報を知った人達は地盤の状態を意識し、調査し購入場所を決定するでしょう。液状化がひどかったぐらいの情報では復旧した街並みを見て土地が下落するという認識には至らないでしょう。


ですから液状化イコール土地下落の法則をご記憶して頂ければと思います。すでにその土地にお住いの方はお気の毒としか言えませんが、土地を購入する判断材料として是非憶えておきたいものです。同様に海岸付近の方も津波に警戒し買い控えるでしょう。わざわざ内陸の人が、東海地方に家を建てようなどと思わないはずです。


同様に原発が存在する市町村にも近寄り難いでしょう。このように土地を購入する判断材料、家族全員が安住する土地を見つけるのにこれらの判断材料が新たに加わった事になります。そしてもう一つ液状化による問題点を指摘しておきましょう。


豊洲液状化による地中毒素の噴出(ヒ素、水銀、六価クロム、ベンゼン、シアン、鉛など)


あまり知られていないが、今豊洲が大変なのである。東日本大震災の地震による液状化現象で東京ガス跡地から地中の毒素が噴出しているのである。しかも猛毒である。この記事は是非読んで頂きたい。


現代ビジネスからです。一部引用し抜粋していきます。リンク先はこちら


「豊洲は大震災で大液状化現象を引き起こした。周知の通り、豊洲は石原慎太郎都知事(78)が、築地市場の移転先に選んだ土地である。だが、そもそもこの予定地は、二つの大きな問題を抱えていた。

一つは、予定地が東京ガスの工場跡地であり、土壌と地下水の深刻な汚染が明白であることだ。’02年に行われた都環境局の調査によれば、敷地全体がヒ素、水銀、六価クロム、ベンゼン、シアン、鉛など様々な疾病の原因となる化学物質や重金属で高濃度に汚染されていた。

もう一つの問題が液状化だった。液状化は地下水を含んだ緩い砂の層が、地震で締め固められて水が噴出する現象だ。

本誌は’09年6月5日号で二つの問題について報じ、日本環境学会の坂巻幸雄・元通産省地質調査所主任研究官の「豊洲予定地の地盤が液状化の兆候を見せていることは明白」という懸念を紹介していた。その懸念が現実のものとなったのだ。」

記事はつづきます。そして問題の場所に東京都は立ち入りを禁止し報道陣には公開しないのです。しかし報道陣は都に液状化に対する認識を聞いたら


「東京都では豊洲で起きたのは液状化ではなく、『噴砂』と認識しています。危険なものではありませんから、わざわざ公開する必要はないと考えています」

東京都新市場整備部の永井伸芳環境対策担当課長はそう答えた。「噴砂」とは地下の砂が地震で地表に噴出する現象のことだが、液状化が起こらなければ、噴砂も起こらない。その点を指摘すると、

「そうですね。そういうことです」

と、あっさり認めた。都は意地でも「液状化」という言葉を使わない。そんな土地に市場を作るのか、と問いただすと、驚いたことに永井氏はこう言い放った。

「豊洲が液状化することなんて分かっていました。そこで、砂層中に砂杭を打って土層を固める『砂杭締固め工法』と、固化剤を用いて表層部分の砂質土層を格子状に固める『格子状固化工法』という二つの対策を取る予定です。これらの工法は阪神・淡路大震災でも有効性が確認されています。さらに、揚水ポンプで地下水の水位を下げます。ここまでやれば、液状化は絶対に起きません」

と説明をし、市場の予定地である豊洲の土地は計画を頓挫したくない。最後に都は血税を投入するだろうと記事は締めくくっています。ついでですが、もちろん豊洲の土地も下落しております。


この記事はあくまで豊洲の地中汚染、土壌汚染の話しで終わっていますが、このブログで言いたかったのは何も豊洲だけの問題ではなく、液状化で地中の毒素が噴出する可能性があるという指摘をしておきたかったのです。数年前から不動産契約の重要事項説明で土壌汚染の補足説明が求められています。何故求められるようになったか?


それは土壌汚染の問題が拡大・増大化している社会的な背景があるからです。我々日本人は戦後から空気や水、川や海、山々という自然破壊を行なって汚染しつづけました。今は福島原発で世界をおびやかしています。当然土壌が汚染されている地区があるはずなのですから、土地売買のおいて説明が求められるようになったのです。


ですから土地をこれから購入される方はくれぐれも土壌汚染、近隣の汚染状況を把握しなければなりません。土地を購入するだけでなく、安住できる地区まで選択しなければならない時代となってしまいました。




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2011年6月11日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:土地を活かす

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